范先栄駐ウクライナ中国大使。 |
現地時間3月9日午後、ウクライナのスムイから集団退避する中国人留学生の最後の一陣が同国西部リビウの駅に到着したことを受けて、中国の范先栄駐ウクライナ大使は、ウクライナからの中国同胞の集団退避任務が無事に成功したことを発表した。范大使は20日、単独インタビューに応じた際、今回の退避行動における「5つの最たる点」をメディアに初めて明かした。環球時報が伝えた。
范大使によると、これまでの退避行動と比べると、今回は「最も複雑な環境」と「最も危険な情勢」の中、「最も退避が困難」で「退避する人々が最も懸念・心配され」、「最も多くの公館が参加」した退避行動だったという。
ウクライナの国土面積は60万平方キロメートル以上あり、中国人留学生や華人・華僑の居住地が広範囲に分布しており、その人数も多かったため、退避計画の実行は極めて困難を伴うものとなった。また、ウクライナに住む中国同胞6000人以上の中には、中国系企業の社員や華僑だけでなく、留学生2700人も含まれており、我々の子供のような存在である年若い彼らが大規模な軍事行動の中で退避することは、特に人々にとって大きな懸念となった。
習近平氏を核心とする中共中央の強固な指導の下、外交部(外務省)の具体的な手配の下、8つの大使館及び2つの総領事館を含む計10の公館が、団結・協力し、全力で取り組み、中国同胞をリレー方式で祖国へ送り届けた。これは実は中国の力を示すものだ。
今回の行動から我々はいくつかの啓発を得た。第1に、中共中央の重視と指示は、我々があらゆる取り組みを成し遂げるうえでの政治的な前提かつ保障であり、これなしには何事も不可能だということ。今回の退避活動の最初から最後まで、中共中央は強く注視し、我々に全力であたるよう指示した。第2に、外交部の強力な手配が、取り組みを達成するための鍵であるということ。第3に、前線の大使館や総領事館が主体的に業務を担い、全力であたらなければならず、高度な政治的立ち位置と責任感を持つ必要があるということ。そして第4に、駐在国にいる無数の同胞の自発性と積極性を十分に引き出し、留学生会や中国系実業家による華商会、華僑協会を活用することも非常に重要だという点だ。今回の多くの退避活動は彼らの協力を得て達成されたのであり、彼らは中華民族が一貫して備えている団結・奮闘、相互扶助、困っている人を助けるという優れた伝統を実際の行動によって改めて示したのだ。
范大使は大使館の今後の取り組みの重点や段取りについて「中国国民の退避調整は成功裏に終わったが、我々の外交官としての任務は終わっておらず、今後もウクライナに留まり引き続き職務遂行に尽力する。関係する事柄をしっかりと処理すべく責任を全うし、力を尽くす」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年3月22日