海洋牧場複合プラットフォーム「耕海1号」のモデル転換・高度化
海に浮かぶネックレスのような海洋牧場複合プラットフォーム「耕海1号」。画像提供は山東海洋集団
山東省煙台市莱山区漁人埠頭沖を見下ろすと、海洋牧場複合プラットフォーム「耕海1号」が光り輝くネックレスのように海上に浮かんでいる。「ネックレス」の片側は花びらの形をしたスマート漁場、もう片側はヒトデの形をした人気の観光スポットで、ブリッジによって結ばれた「グリーン・低炭素」の海洋牧場運営方式だ。中国新聞網が伝えた。
「耕海1号」のブリッジに足を踏み入れると、その中間の海域は養殖用ケージによって囲まれている。山東海洋集団耕海科技の尉岩総経理は、「ここは当社の養殖場で、下ではマダイなどの魚を養殖している」と述べた。
尉氏の説明によると、「耕海1号」1期プラットフォームは3つのサイズが同じで、直径40メートルの円形のサブケージを回転し組み合わせられたものだ。3つのサブケージは3枚の花びらのようだ。総敷地面積は5000平方メートルを超えている。各ケージの養殖体積は1万立方メートルで、計3万立方メートルとなる。高品質海水魚を毎年20万匹養殖でき、年間生産能力は約15万キログラム。
従来的な海域での養殖には、海洋汚染の問題が一般的に存在する。「耕海1号」のこれほど大規模な養殖は、いかに環境保護の条件を満たすのだろうか。
「養殖礁の選択では従来の礁の他に、グリーンで環境にやさしい材料で作る新型養殖礁を使用した」。尉氏によると、養殖用ケージから取り除かれたカキやホタテなどの貝類の廃棄物もカキ礁に利用し、海底の豊かな自然環境を修復できる。
尉氏は、「グリーンで低炭素を実現するために、養殖用ケージはさらに太陽光・風力発電システムを搭載しており、日照が十分で風力が安定している時であれば、日常的な電力消費の需要をほぼ賄える」と説明した。
養殖用ケージ。撮影・謝芸観
従来の漁業と比べ、「耕海1号」は現代海洋漁業、海洋工学技術、海洋文化観光という一、二、三次産業の深く効果的な融合を実現した。
観光客は回廊で、海釣り、ジョギング、朝の運動、日の出と日没の観賞などを体験できる。「ヒトデ」の形をした2期メインプラットフォームには、レジャー広場、水の楽園などの施設がある。7フロアの屋内空間には、総合サポートエリア、海洋漁業科学教育展示ホール、飲食祝典エリア、宿泊エリアなどが設置されている。
しかし海上に設置されたプラットフォームとして、そこから出るゴミはどのように処理されるのだろうか。尉氏は、「『耕海1号』には完全な防汚処理システムがあり、プラットフォームの汚水・汚物を専門的に処理する。処理後のすべての汚水・汚物は汚水処理船により、生態環境主管当局が指定する陸地埠頭に運ばれ、全市汚水管渠に排出することで『ゼロエミッション』が実現される」と明らかにした。
海と港で発展してきたことを特徴とする煙台市は、省級以上の海洋牧場が46ヶ所あり、総面積は約9万3000ヘクタールにのぼる。これほど豊富な海洋資源の中で、「耕海1号」は煙台市による海洋牧場のモデル転換・高度化の模索の縮図に過ぎない。
煙台市海洋発展・漁業局の張益額副局長は取材に、「当市は今後、生態優先とイノベーション牽引を引き続き堅持し、海洋牧場の融合発展を重点的に拡大する。今日目にした耕海1号というモデルは、海洋牧場を養殖・釣り、観光、科学教育と結びつけたものだ。また煙台市の海洋牧場の高度成長から質の高い発展への方向転換を急ぎ、中国一流の海洋牧場モデル都市を構築する」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年8月2日
注目フォトニュース
関連記事
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn