運行開始9年を迎える中欧班列「義新欧」 小さな商品を大きな市場へ
「世界のスーパーマーケット」の中国浙江省義烏市と欧州最大の日用雑貨の集散地のスペイン・マドリードをつないだ国際定期貨物列車「中欧班列」の「義新欧」が、運行を開始してからまもなく9年目を迎える。中欧班列で唯一、民間企業が運営する「義新欧」は、今や運行路線が最も多く、貨物の積載効率が最も高い列車へと発展してきた。
ユーラシア大陸を横断する「双方向運行の路線」
撮影・銭旭昇
7月29日、コンテナ110TEU(20フィート標準コンテナ換算)を積み込んだ中欧班列「X8020号」が鉄道の義烏西駅からゆっくり出発して、マドリードへ向かった。23年の中欧班列の運行本数はすでに1万本に達し、前年より22日早く1万本を達成した。輸送した貨物は前年同期比27%増の108万3000TEUに上る。
中欧班列の運転士の黄偉さんは、「『義新欧』の前にも、中国発の国際コンテナ列車は運行してはいたが、運ぶ量が非常に少なかった」と振り返った。
黄さんは、「現在、中欧班列の復路のコンテナ利用率は100%に達する。これはつまり、欧州から戻ってくるコンテナにはすべて貨物が積み込まれているということだ。復路のコンテナ利用率から、中国と欧州の間の貿易情勢が繁栄し続けることがうかがえる」と述べた。
中欧班列「義新欧」の義烏駅では復路として運行する列車の割合が15年の9.6%から、22年の42.8%に上昇し、全体としてバランスが取れてきた。22年の義烏-マドリッド路線では往路の列車が124本、復路の列車が160本、それぞれ運行しており、復路の割合が56.3%に達し、双方向の運行が常態化して行われている。
小さな商品から大きな商品まで
撮影・胡肖飛
ますます多くの欧州産商品が中欧班列に乗って中国の一般の家庭にやって来るようになった今、中国産商品を満載した列車も一時も休まずに欧州へ向かっている。
義烏税関監督管理二科の周華偉科長は手元にある通関手続き書類をパラパラとめくりながら、「通関手続きをした貨物の種類を見ると、輸出が始まったばかりの頃の貨物は日用雑貨が多かったが、今では『義新欧』が運ぶ輸出商品の構造はひそかに変化しており、ハイテク製品の占める割合が徐々に高くなった。スマートデバイス、太陽光パネル、自動車の完成車と部品、大型医療機器など付加価値の高い貨物が大幅に増加した。貨物の仕入れ先も徐々に義烏から浙江省内の杭州、嘉興、湖州、紹興などの都市、上海市、福建省、広東省などへと広がっている。復路の列車が運ぶ貨物は最初の頃の赤ワインや粉ミルクといった日用消費財から、電気機械製品、医療機器、高級キャビネットなどへと徐々に広がり、多様化した発展を実現した」と述べた。
商品の種類の急速な変化は、「メイド・イン・チャイナ」と「一帯一路」(the Belt and Road)の深い関わり合いの縮図だ。長年にわたる発展の結果、「義新欧」はアジアと欧州の人々に必要な日用雑貨を届けているだけでなく、現地の農産物、板材、綿糸、アルミニウムインゴット、銅などの貨物を大量に中国へと運び、「メイド・イン・チャイナ」に力強い原動力を注入している。
「友達の輪」がますます大きく
撮影・胡肖飛
「義新欧」は14年に運行をスタートしてから、その本数とコンテナが運ぶ貨物の価額が年々増加し、義烏から世界へ向かう道はさらに広がり、陸上シルクロード建設が盛んに進められている。
「新シルクロードの起点」と呼ばれる義烏は、中国最大の日用雑貨市場で、毎日大量の物流ニーズと貿易サービスニーズがある。こうしたニーズによって、「義新欧」の運行には市場が提供され、急速な発展が促進されてきた。長年の発展を経て、「義新欧」を擁する中欧班列の義烏プラットフォームは国際貨物輸送路線18本を相次いで開通させてきた。その業務範囲はユーラシア大陸の50数ヶ国・160都市余りへと広がり、中国国外の101駅と結ばれるようになった。
最初の路線から18番目の路線まで、「義新欧」の輸送ネットワークは徐々に整備され、波及効果がますます際立っている。路線マップの急速な拡大にともなって、中国と沿線各国との経済貿易交流の「友達の輪」も拡大を続けている。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年8月7日
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