中国人男性に嫁いだウガンダ人女性の里帰りの旅がネットで大きな話題に

人民網日本語版 2023年08月10日10:49

ここ数日、中国人男性に嫁いだウガンダのローズさんが帰国した時のエピソードが、中国国内外の多くのネットユーザーの心を鷲掴みにしている。8年ぶりにウガンダへ里帰りしたローズさんと、初めてアフリカに行って妻の母親に会った夫の呉建雲さんに、どんなことが起きたのだろうか?

浙江省の農村の暮らしに溶け込むローズさんのショート動画が大人気に

ローズさんは中国では1300万人以上のフォロワーを持つ超人気インフルエンサー。彼女が人気者になるまでのいきさつは、不思議な引き合わせによるものだと言えるもしれない。

1993年生まれのローズさんは、貧しい家庭で育ち、中学を卒業してすぐに家を出て、ウガンダの首都カンパラにある家具工場で働くようになった。ローズさんはそこで出会った中国・浙江省出身の女性と親しくなり、この女性を通じてそのいとこに当たる呉さんとも知り合い、後に国際結婚するきっかけとなった。

8年前、ローズさんは一人で浙江省麗水市の田舎の村を訪れ、ネット上で知り合った呉さんと実際に会うことにした。そして、聡明で頭の回転が良く、勤勉で堅実なローズさんはすぐに現地に溶け込んでいった。近年、ショート動画が大人気となっていることを背景にして、ローズさんは「新しい仕事」を見つけた。ショート動画プラットフォームで日常生活を捉えた動画を投稿するようになったのだ。すると、約1年で、フォロワー数が1千万人以上に達した。

アフリカ人の女性が中国でネット有名人になれたのはなぜなのかと思う人も多いかもしれない。実際には、その「奇跡」には「れっきとした理由」がある。

人気の秘密は、海をはるばる渡って中国にやって来たローズさんが醸し出すギャップとサプライズ感だ。遥か遠くの中国浙江省の村に嫁いだアフリカ人女性は、そこでの生活に適応することができるのだろうか?ショート動画を見ると、そこには麗水市の方言を流暢に話し、おいしい料理を作り、各種農作業をこなすローズさんが映っている。そうした動画を見ると、疑問は少しずつ消えていき、やがて彼女が大きな才能を潜めていることに気付くようになる。

ショート動画を見ると、ローズさんは農村の家の台所で、鍋を火にかけ、油を入れて鍋を熱し、食材を炒めている。ローズさんは慣れた手つきで、新疆維吾爾(ウイグル)自治区の大盤鶏(鶏肉とジャガイモのスパイシー煮込み)や重慶の麻辣香鍋(肉や野菜を炒めたピリ辛料理)、四川省の鉢鉢鶏(串に刺した食材を煮てピリ辛ダレに漬けた料理)といった各地の名物料理を次々と作っている。彼女の手に掛かれば、浙江省の黄粿(うるち米を餅状にしたもの)や広東省の鉢仔糕(鉢のようなお碗で蒸して作るういろうのようなデザート)、貴州省の灰豆腐(灰をまぶして炒めた豆腐を干したもの)といった、各地のご当地グルメもお手の物だ。

中国の農村の日常に多くの人が「癒し」を得ている。生活や仕事のリズムは速くなる一方という人が多い中、ローズさんのショート動画を見ると、時間がゆっくりと流れるように感じる。あるネットユーザーがコメントしているように、「彼女の動画を見ると、農村を舞台にした癒し系のドラマを見ているような気分になる」のだ。

ウガンダへの里帰りの旅にネットユーザーが注目

今回、ローズさんが再び大きな話題となっているのは、中国の農村の暮らしではなく、しばらく前に中国から遠く離れたウガンダに帰国し、実家へ里帰りした時の様子を紹介している動画がきっかけだ。では、その里帰りの旅に数多くのネットユーザーが注目しているのはなぜなのだろうか?

 飛行場でローズさんらを迎えた在中国ウガンダ大使

飛行場でローズさんらを迎えた在中国ウガンダ大使

まず、ローズさんの「アフリカ里帰りの旅」はハラハラドキドキで、見る人の心を鷲掴みにしている。では、8年ぶりにウガンダに里帰りしたローズさんと、初めてアフリカに行って岳母に会った呉建雲さんに、どんなことが起きたのだろうか?

既に投稿されている動画を見ると、今回の里帰りの旅は何が起きるか予測不可能な旅となっている。例えば、8年ぶりの里帰りだからか、なんとローズさんは途中で道に迷ってしまう。さらに、車を走らせているとタイヤがパンクし、途中でエンジンが故障してしまうなど、その里帰りの旅はまるで波乱万丈の映画のようで、ネットユーザーは興味津々となっている。

次に、多くのネットユーザーが自主的に「応援団」となり、ローズさんの里帰りの旅に常に注目。動画には呉さんを励ます応援メッセージを数多く寄せられている。

ウガンダの実家でローズさんが一番心配していたのは、いつも身体の痛みを感じている母親の体調だ。今回の里帰り中、ローズさんは母親を連れて首都カンパラへ行き、中国・ウガンダ友好病院で全身を検査してもらった。この病院は現地で最も良い病院の一つで、中国政府の支援で建設された。写真はローズさんの母親の検査を行う中国ウクライナ支援医療チームのリーダー・郭致平医師。

ウガンダの実家でローズさんが一番心配していたのは、いつも身体の痛みを感じている母親の体調だ。今回の里帰り中、ローズさんは母親を連れて首都カンパラへ行き、中国・ウガンダ友好病院で全身を検査してもらった。この病院は現地で最も良い病院の一つで、中国政府の支援で建設された。写真はローズさんの母親の検査を行う中国ウクライナ支援医療チームのリーダー・郭致平医師。

今回、ローズさんはウガンダに1ヶ月滞在する予定だ。その間に、彼女は夫や子供と一緒に親戚に会いに行ったほか、母親の検査のために中国の支援で建設された病院にも行っている。さらに、現地メディアの取材に応じたり、農業技術の提携の段取りをしたりと、ネットユーザーにとっては、バーチャル空間で海を渡り、アフリカの様子を没入型体験したり、中国とアフリカの親睦を描く感動のエピソードを聞いたりする機会となっている。

カンパラの街中でローズさんが見かけた中国人の作業員。彼らは道路建設のために浙江省からウガンダに来た作業員で、パイプの埋設作業を行っていた。

カンパラの街中でローズさんが見かけた中国人の作業員。彼らは道路建設のために浙江省からウガンダに来た作業員で、パイプの埋設作業を行っていた。

多くの浙江省の人々がアフリカで懸命に働いており、ウガンダを含むアフリカの多くの国が華僑にとって第二の故郷となっている。肌の色や言葉、文化などは違うものの、人と人を繋ぐ素朴な「人情味」は同じだ。そのような真心があるからこそ、ローズさんのような国際結婚のエピソードが生まれ、中国とウガンダが友好関係を築き、さらには中国とアフリカの間に時が経つほど強くなる絆が生れている。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年8月10日

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