華僑ライダー9人がローマからバイクでシルクロードを通って西安に

鄧建義さん(40)は最近、新疆維吾爾（ウイグル）自治区霍爾果斯(コルガス)通関地の立派な門の前にバイクと共に立ち、「祖国よ、帰って来たぞ！」と叫んだ。イタリアの華僑9人からなるバイクチームは6月10日にローマを出発し、欧州・アジア7ヶ国を通過してシルクロードの起点「西安」に到着。その後もバイクを走らせて7月15日に故郷の浙江省温州市に到着した。36日間の旅の走行距離は約1万4300キロに達した。バイクチームのリーダーである鄧さんは取材に対して、「『一帯一路』（the Belt and Road）イニシアティブが打ち出されて今年でちょうど10年。旅の途中で中国的な要素を目にすると、とても誇りに感じた。中国のインフラ建設チームが請け負う建設プロジェクトを目にしたし、中国車が『一帯一路』参加国の街中を走るのをたくさん見かけた」と話した。紫牛新聞が報じた。

長年温めていたバイクでの帰国計画

「シルクロード」を通って中国へ帰ろうと呼びかけ

イタリアで貿易関係の仕事をしている鄧さんはバイクで帰国することにした理由について、「僕はベテランライダーで、外国で長年暮らしており、ずっとバイクで帰国したいと考えていた」と話す。

ベテランライダーの鄧さん

また、鄧さんは、イタリアのある華僑バイククラブのリーダーも務めており、クラブのメンバーにバイクで帰国する計画を伝えると、「思いがけないことに、みんなこの旅に強い関心を示して、たくさん応募があった。最終的に8人を選出した。あるバイク仲間が、食べ物やガソリンといった物資を途中で提供できるよう、車でついていくと言ってくれた。それで、その車を『サポートカー』にすることにした」と話す。

無人地帯を走るバイクチーム

具体的なルートを計画する際、歴史が大好きという鄧さんは古代シルクロードを通るルートをチョイスした。「昔の人が使節として西域に行った時の道のりで感じたことを体験し、各地の風土、人情に触れてみたかった。それに、『一帯一路』イニシアティブが打ち出されて今年でちょうど10年なので、このルートを通るというのはとても意義深いと思う。それで、みんな通過する国のビザを前もって取得しておいた」と鄧さん。

鄧さんは取材に対して、「ローマを起点とし、ギリシャやトルコ、ジョージア、ロシア、カザフスタンなどを通過して、新疆維吾爾自治区霍爾果斯通関地から中国に入国。最終的に、古代シルクロードの起点『西安』にたどり着いた」と話した。

鄧さんが途中で見かけた中国企業が請け負う建設プロジェクト

鄧さんは、「ジョージアの山間部を通過した時、建設現場で中国人を見かけて、とても親しみを感じた。橋か高速道路を建設していたのだと思う。作業員らも僕たちのバイクの旅に強い興味を示していた。作業が忙しそうだったので、作業員と少し言葉を交わしてまた旅に戻った。建設現場を離れる時、バックミラーに、忙しそうに働く中国人作業員が映っていて、その姿が少しずつ小さくなっていった時、誇りに感じる気持ちで胸がいっぱいになった」と話す。

霍爾果斯通関地の前で記念写真を撮影するバイクチーム

ローマを出て、6月27日に霍爾果斯通関地に到着したとき、鄧さんと仲間のバイクのトリップメーターの走行距離は6200キロとなっていた。

中国に入国してからも、新疆維吾爾自治区を出発した鄧さんは「シルクロード」を走り続け、甘粛省を通過して、シルクロードの起点である陝西省西安市にたどり着いた。「中国に入ってからは、国外との違いをはっきりと感じた。国外の場合、どこにでも公道があるわけではなく、道があってもちゃんと舗装されていない場所もある。でも、中国に入ってから通過した所はほぼ全て公道があった。それに、路面はきれいに舗装されているので、バイクで気持ち良く走ることができる」と鄧さん。

西安に到着したバイクチーム

ローマをバイクで出発して36日目となった今月15日、鄧さんたちは生まれ故郷である浙江省温州市についに到着した。走行距離は合わせて約1万4300キロに達していた。今回の旅を通して、シルクロードのことをあまり知らなかったバイクチームのメンバーも、「一帯一路」イニシアティブに強い印象を持った。鄧さんも、「あの道を実際に走って初めて『一帯一路』は参加国に変化をもたらしたことを知った。例えば、トルコの多くの建物のスタイルは中国とほぼ同じ。それにカザフタンの道を走っているタクシーやパトカーのほとんどは中国車だった。でも、一番印象深かったのは、ジョージアの山間部で見かけた中国のインフラ建設チームだった」と振り返る。（編集KN）

「人民網日本語版」2023年7月26日