胡同モチーフのお菓子など中国の老舗が打ち出す新商品が大人気に
胡同(伝統的な民家が建ち並ぶ細い路地)文化をモチーフにしたお菓子が販売されたり、中国医学の滋養効果のある処方がコーヒーに取り入れられたりと、今では中国の多くの「老字号店舗」(老舗)が新たな商品を打ち出し、大人気となっている。北京日報が報じた。
中国商務部(省)の統計によると、中国全土には現時点で「中華老字号」に指定された老舗が1128軒、「地方老字号」に指定された老舗が3277軒ある。「老字号」は、食品加工や飲食・宿泊施設、住民サービスといった20以上の分野を幅広くカバーしており、中国全土の「老字号」の売上高は年間2兆元(1元は約19.9円)に達している。
北京市東城区東四北大街には、夏の暑さが厳しい中でも入り口前に長蛇の列ができるネット上で話題の店「北京稲香村零号店」がある。
北京稲香村零号店のプロジェクトマネージャー・曹思源さんは、同店の胡同シリーズのお菓子について「これは胡同の番地プレートで、これは『門墩』(家の入口に設置されている獅子の石像)。これらのお菓子は目で楽しむこともできるし、食べてもとてもおいしく、売り切れ続出となっている」と説明。そして、北京の胡同シリーズ商品誕生の理由について、「胡同の住宅の入口にある獅子の石像や門環(ドアノッカー)といった要素には、北京らしさがあふれている。これは、北京稲香村のブランドイメージともマッチしている」と説明する。
中国国産品のトレンド「国潮」や中国の伝統文化を取り入れた「国風」などが人気となるにつれて、多くの老舗がイノベーションに取り組み、オシャレな新商品を打ち出すようになっている。例えば、お茶の老舗・呉裕泰は、お茶の味のソフトクリームやビスケットを発売し、それを買い求めようと、若者が列を作るようになっている。時計を販売する老舗・上海表は、文字盤に孫悟空が描かれた中国アニメ「大鬧天宮(大暴れ孫悟空)」をテーマにした腕時計を打ち出した。
「中華老字号」の東阿阿胶は、お茶ドリンク専門のチェーン店「奈雪的茶」とコラボして、阿胶とミルクティーを組み合わせた「阿胶ミルクティー」を発売。若者に新しいヘルスケアを提供している。山東省の東阿阿胶股份有限公司の関係責任者は、「ミルクティーは若者の間で大人気。業界の垣根を越えた提携により、老舗に新たな客が来るようになっているほか、中国式のヘルスケア文化を継承することもできる」としている。
阿胶ミルクティーと同じく、滋養効果のある処方を取り入れたコーヒーも消費者にフレッシュな体験を提供している。
今年6月、100年以上の歴史を誇る医薬品の老舗・方回春堂はコーヒーブランドの「八角杯」とコラボして、雪梨膏など伝統的な滋養効果のある飲み物とコーヒーを組み合わせたヘルスケアシリーズのコーヒーを発売。すると、すぐに好奇心旺盛な若者の目に留まり、ソーシャルメディアでその味が紹介され、ブームになった。
北京師範大学文化創新・伝播研究院の楊越明教授は、「老舗が客を増やし、『老(古い)』というステレオタイプのイメージを打破する手っ取り早い方法が業界の垣根を越えたコラボレーションだ。例えば、『老舗+文化・博物・文化クリエイティブ』、『老舗+中国アニメ』といった革新的なスタイルは、ブランドイメージを向上させるほか、老舗のブランドアイデンティティを強化している」との見方を示す。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年8月11日
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