「昔ながらのサイダー」が活発な動き 競争に勝ってシェアを伸ばせるか?
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中国国産の「昔ながらのサイダー」が目下、市場で活発な動きを見せている。今年の夏、内蒙古(内モンゴル)自治区発の大窯サイダーが北京市の地下鉄駅、バス停、エレベーターで大量の広告を打ち出し、北京ブランドの北氷洋サイダーの牙城を脅かす「ダークホース」になった。同時に、多くの地域の老舗サイダーブランドも全国化した展開を相次いで加速させ、「1都市に1サイダー」という従来の構造に揺さぶりを掛けている。
国産の「昔ながらのサイダー」が活発な動き
1970-80年代に、中国の複数の地域で「1都市に1サイダー」という構造が生まれ、北京の北氷洋、西安の氷峰、重慶の天府可楽、上海の正広和など、多くの都市に独自のサイダーブランドがあり、人々にはサイダーと結びついた懐かしい記憶がある。しかし90年代に入り、コカコーラとペプシコーラが中国市場に進出すると、この2大海外ブランドが合弁ラッシュの中で中国の7大国産飲料ブランドを買収し、中国ブランドは徐々に姿を消した。少数のブランドは生き残ったものの、経営は日々厳しさを増す状況だった。
ここ数年は、国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)ブームにともなって、多くの国産サイダーブランドが再び人気を集めるようになった。
フードデリバリー大手の美団のまとめたデータによれば、今年に入ってから、山海関、八王寺、北氷洋、嶗山汽水、天府可楽、正広和などの8大国産サイダーのリアルタイム売り上げが前年同期比で41%増加した。全国化展開が加速するにつれ、国産サイダーの現地以外での売り上げの占める割合が上昇した。たとえば今年は広州の亜洲汽水の広東省以外での売り上げが同34%増加し、青島の嶗山汽水の山東省以外での売り上げが同38%増加し、北氷洋のリアルタイム小売注文では北京市以外での注文が60%以上を占めた。
市場競争が激化
現在、国産サイダーブランドは国内の同業他社との競争に直面するだけでなく、これまでと同じように海外ブランドの強い攻撃にもさらされている。前瞻産業研究院が発表した「2022年中国炭酸飲料業界現状分析」によれば、2021年にはコカコーラとペプシが中国の炭酸飲料市場で90%近いシェアを占め、うちコカコーラ1社のシェアは53.4%に達したという。
国産サイダーは市場シェアを高めるため、常に商品のイノベーションとブランドのマーケティングに力を入れている。今年の夏休みシーズン、北氷洋は北京の王府井大街でポップアップ・ストアをオープンし、各地からの観光客にフルラインナップで商品をPRしている。従来のガラス瓶入りオレンジサイダーだけでなく、プルトップ缶やペットボトルなどのパッケージの商品を打ち出し、レモンサイダー、梅サイダー、パッションフルーツサイダーなど異なる味わいの商品をそろえた。数えてみると10数種類にのぼっている。
絶えず目新しいテイストを打ち出すと同時に、価格面で消費者をがっちりつかまえるにはどうしたらよいかが、国産ブランドの直面する課題だ。中国企業資本連盟の柏文喜副理事長は、「各種の小売ルートにおいて、国産サイダーは引き続き劣勢に立たされ、価格は高めだ。国産サイダーは生産効率を上げてコストを引き下げると同時に、飲食業界と踏み込んだ協力を行うことによって、ブランドの知名度と顧客ロイヤルティを高めることもできる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年8月11日
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