「ドーパミン消費」が活発に 大きなポテンシャルを秘める感性消費
写真提供・スターバックスの公式微博(ウェイボー)
「彩度の高いカラー、色とりどりの装飾、豊富なコーディネート要素」。こんな大胆で目を引く組み合わせに、今年の夏、「ドーパミン」という新しい名前がつけられた。多くの消費ブランドがこのドーパミンブームに乗ってマーケティングを展開し、製品や材料に鮮やかな色彩を次々取り入れている。ドーパミンブームはファッション界から飲食業界、化粧品業界などへ広がり、ドーパミンコーディネート、ドーパミンメイク、ドーパミンコーヒー、ドーパミン茶飲料などが急速に流行している。
多くのブランドがドーパミンブームに乗ったマーケティングを展開
スターバックスはドーパミンカラーの新商品「Pink Drinkピンクリフレッシャーズ」や「Dragon Drinkココナツミルク入りマンゴードランゴンフルーツリフレッシャーズ」を発売した。瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)はドーパミンアイスコーヒーの概念を打ち出し、6種類の異なる色のフルーツコールドブリューを選んで組み合わせた「ドーパミンアイスコーヒー」シリーズを打ち出した。ビタミンオレンジ色をしたオレンジ入りアイスアメリカンコーヒーもあれば、フレッシュグリーン色のシャインマスカット入りアイスラテもあり、各ドリンクとそのイメージカラーを組み合わせた新しいポスターも作成し、ドーパミンスタイルのエッセンスを伝えている。
ポップマートはSNSでドーパミンの話題を取り上げ、新商品の「ピノゼリー」ブラインドボックスをPRしている。スワロフスキーは2000元(1元は約20.0円)近くするドーパミンブレスレットを発売し、ドーパミンブームを取り入れる女性の必須アイテムになっている。唯品会をはじめとするECプラットフォームでも、ドーパミン化粧品の売り上げが増えている。また、音楽祭や発表会、ショー、ポップアップ・ストア、マーケットなどのマーケティングイベントにも、ドーパミンの要素が数多くみられる。
飲食産業の面では、バーガーキングはピンク色ソースのハンバーガーとピンク色のシェイクを発売した。パン屋チェーン・好利来は北京でピンクをテーマとした店舗の1号店をオープンした。この店舗では、外観や内装はもとより、店員の制服、紙袋やパッケージ、ショッピングトレー、限定商品などもカラーコーディネートをしてドーパミンピンク色で統一し、レシートさえピンク色にした。
気がつけば、何もかもがドーパミンカラーで染まり、ブランドがネットでの話題性をマーケティングに生かしているだけでなく、消費者に消費の世界でしばしの癒やしとみんなで楽しめるきっかけを提供している。
非常に大きなポテンシャルを秘める感性消費
業界の専門家によれば、カラフルな色彩はポジティブで前向きな気持ちをかき立てるもので、ドーパミンの流行は現代の消費者が気持ちの解放、ストレスの緩和をすぐにも必要としていることを反映しているという。調査会社の天眼査がまとめた特許データを見ると、中国の感性価値に関わる特許の出願件数はすでに3060件を超えたという。
騰訊(テンセント)が発表した「Z世代消費力白書」によると、新世代の若い消費者の消費の動機は自分らしさを表現したいという気持ちにあることが多く、消費を通じて感性を表現することがこの層の重要な特徴だという。
若者は自分らしさや独自性を表現すること強く望んでいる。ドーパミンは今、まさにこのニーズを満たしている。同時に、豊かな色彩は消費者の写真をアップしたい、行ってみたいという気持ちをかき立てる。今では、SNSプラットフォームを通じて、生活観や個人のセンスを発信し、人から「いいね」をもらったり認められたりすることが可能になった。こうした社交における双方向性がドーパミン消費ブームをさらに盛んにしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年8月16日
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