電力網の負荷を軽減する仮想発電所

人民網日本語版 2023年08月29日09:38

電力消費のピークを迎え、中国各地の電力負荷が過去最大をたびたび更新している。深圳は中国で初めて仮想発電所(VPP)管理センターを設立した都市として、電力網調整のリアルタイムインタラクションの壁を取り払うことで、資源接続や運営監視などを実現し、電力利用の信頼性と安定性をさらに高めている。経済日報が伝えた。

深圳仮想発電所管理センターの技術専門家の李江南氏は、「VPPはエネルギーインターネット技術により末端ユーザーに分散している充電ポール、エアコン、分散型太陽光発電などの電力負荷資源を統合し、最適化制御を行う、『インターネット+電源・電力網・負荷・エネルギー貯蔵』一体化のデジタル化エネルギー管理システムだ。VPPは電力供給が逼迫する時間帯に分散している大量の電力負荷資源を直接調節ことにより電力消費出力を落とすことで、特定の時間帯の負荷調節を実現し電力網の安全・安定運営を保証する」と述べた。

「VPPの大きな優位性の一つは、土地資源を使わず新たに送電線を建設することもなく省エネルギー・排出削減と新エネルギー利用を促進し、社会全体のエネルギーシステムの投資・建設費を引き下げられることにある」。李氏は、「200MWのVPPを設置した場合を例として、1年で標準石炭の消費量を4万700トン、二酸化炭素排出量を10万8000トン、二酸化硫黄の排出量を3261トン減らすことができる」と説明した。

深圳市発展・改革委員会はVPPの建設を推進するため、2022年6月に「深圳市VPP設置活動案(2022−25)」を通達し、高基準のVPPの発展に焦点を当てた。深圳市は23年、VPPの発展の加速を支援するいくつかの措置を発表し、VPP正確反応起動条件、組織プロセス、反応価格などの内容を策定し、規範化し、深圳のVPPの運転と大規模発展に全面的な指導を提供している。

深圳は25年までに100万kW級の調節能力を持つVPPを完成させる計画で、年間最大5%前後の負荷安定調節能力を形成し、大規模ユーザー資源のシステム調節への自発的な参加を誘導し、温室効果ガスの排出を毎年約54万トン削減し、新型エネルギー体制の建設とグリーンで低炭素な産業発展を力強くサポートする。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年8月29日

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