屋台や個人メディアでちょっぴり稼ぐ「小掙青年」が中国で話題に
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多くの収入は求めず、少しだけ稼げればいいという「小掙青年」(「掙」は中国語で稼ぐという意味)が最近、SNSで注目されている。彼らは暮らしに対して高い要求はせず、毎日少しの収入があればよく、早くたくさん稼ごうとは思っていない。こうした「小掙青年」の多くは、小さなショップや屋台を開いたり、個人メディアをやったりして収入を得ている。
桂桂さんとそのボーイフレンドは屋台で焼きソーセージを売っている。1ヶ月で3-4万元(1元は約20.2円)の売上があるが、コストを差し引くと、最終的な儲けは多くはない。とはいえ、桂桂さんはソーセージの味や売り方には工夫を凝らしている。これまでにあった焼きソーセージと味の差別化をはかるため、ネットで人気の軽食の味付けを参考にした。それだけでなく、ショート動画アプリ「快手」で焼きソーセージの下ごしらえから屋台を出すまでのプロセスをアップし、ソーセージを焼く様子をライブ配信している。桂桂さんが屋台を出している夜市に焼きソーセージの屋台は6-7店あるが、「うちみたいにオンラインで同時配信しているところはないし、うちと同じような味のソーセージもない」と桂桂さんは胸を張る。
「小掙青年」はお金を稼ぐのが目的の人もいれば、経験を得るのが目的の人もいる。既存メディアでドキュメンタリーや娯楽ニュース番組でアフレコを担当してきた声優の彭璇さんは、ここ数年間、危機感を募らせていた。というのも、ここ2年ほどの間に人工知能(AI)によるアフレコがますます人間に近づき、ミドル・ローエンドのアフレコ市場はAIに取って代わられつつあるからだ。そこで彭さんは「快手」でショート動画のアカウントを開設し、仕事の可能性を少しでも広げようとした。アナウンスを大学で専攻した彭さんは、最初は普通話(標準中国語)のレッスンや発声のテクニックなどを伝える動画を発信していたが、「いいね!」は数十個しかつかず、再生回数も数百回止まりだった。転機は今年4月初めに訪れた。たまたま映画のアフレコを自分なりにやってみたところ、若いネットユーザーの興味を引き付け、再生回数は最終的に数百万回に達した。現在、個人メディアアカウントを通じて一定のリターンを得ている彭さんは、アフレコ動画を定期的に配信するようになり、動画制作も試みている。さらに、最近はより難度の高いライブ配信にも挑戦しようとしている。
経済回復を背景として、大勢の若者が生活を見直した。高望みせず、投げやりにもならず、自分の出来る範囲でコストの少ない投資をして、1歩ずつゆっくりと進み、浮つかずにその日その日を着実にまじめに過ごす。こんな「小掙」という姿勢が若者の新しいライフスタイルとなっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年9月7日
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