「マッサージVSバー」 中国の若者の間ではマッサージに軍配
いつの頃からか、中国では足つぼマッサージや火罐(カッピング)、刮痧(カッサ)、全身マッサージなどを提供するマッサージ店に列を作る人が、中・高齢者から若者へと変わった。そして、中心業務地区(CBD)だけでなく、住宅街にも、足つぼマッサージ店や全身マッサージ店などが雨後の筍の如くオープンしている。広州日報が報じた。
口コミサイト・大衆点評で「マッサージ」と入力して検索すると、広州では13万3940件がヒットした。一方、「バー」と入力して検索すると、広州で2万8694件しかヒットしなかった。ナイトライフとして、今の若者は賑やかなバーよりも、マッサージ店を好むようになっているようだ。
若者がマッサージ店を訪れる主な理由は「リラクゼーション」や「疲労回復」だ。ある会社の役員秘書を務める楠楠さん(仮名、26)は、現代都市で働く典型的な「ワーカー」。パソコンに1日中向かっている楠楠さんは首の痛みや肩こりが深刻だという。友人から勧められて3年前からマッサージ店に行くようになり、今ではその常連客となっている。「マッサージは一度やったらはまる。一回もしたことがないか、ずっとやり続けるかどちらかしかない」と楠楠さん。
ほとんどの若者は、友人の勧めでマッサージ店に行き始めているようだ。インターネットエンジニアの鵬鵬さん(仮名)は、「マッサージ店は通常、心地よい内装で、リラックスできる音楽が流れている。マッサージ店で横になって友達とおしゃべりをしていると、とてもリラックスできて、快適。時にはマッサージ師の話に耳を傾けるのもいい」と話す。週末にマッサージ店に行くと、友達と会えるうえにリラクゼーションにもなり、鵬鵬さんにとってマッサージ店は既にお気に入りの社交の場となっている。
値段?それとも環境? 手頃な料金の店が一番人気
広州のマッサージ店の料金は通常1時間120元(1元は約19.9円)ほどとなっている。取材では、一部の若者は「プライバシーも守られているし、ハイクオリティのサービスを受けることができる」と考え、リッチな雰囲気の高級マッサージ店を好んでいることが分かった。1時間当たり200-300元の料金も許容範囲だという。
しかし、ほとんどの若者にとっては、手頃な料金のマッサージ店がやはり第一の選択肢だ。マッサージ店の常連客である迪迪さん(仮名)は、「私は値段に敏感。1回150元位のマッサージ店に、2週間に1度行っている。マッサージ師の腕が良く、料金も手頃なら、毎週行ってもかまわない。家の近くにあるマッサージ店に行くことが多い。街中にある視覚障がい者がマッサージしてくれる店なら安いことが多く、1時間80-90元で、マッサージ師の腕も良くて気持ちいい。店の前に列ができていたら、その店のマッサージ師は間違いなく腕がいいということだ」と話す。
その他、中国の病院にはマッサージ科があり、病院でマッサージを受けることもできる。ただ、マッサージ店は何時間かゆっくりできるのに対して、病院は症状を診断し、それに合わせて整骨やマッサージ、骨と関節の位置の矯正などをするのがメインで、それにかかる時間は通常5-10分ほどだ。
中医学病院で何度かマッサージしてもらったことがあるという迪迪さんは、「マッサージ科はとても混雑していて、特に週末は予約がなかなか取れない。なので、前もって予約を入れておくと安心だと思う」としながらも、「病院のマッサージや針灸は、神経因性疼痛にはとても効果的。でも、街中のマッサージ店のように長時間ゆっくりすることはできない」と付け加える。
こうした点について、広州医科大学附属中医学病院の馬衛東医師は、「整骨や関節矯正などが必要な場合は、痛みがひどくなったり、もっと深刻な病気の原因を作ったりしないためにも、街中のマッサージ店に行くのは控えたほうがいい。頚椎症を例にすると、頚椎の動きが制限されたり、動かすと痛みが増したりし、めまいや吐き気、歩行時のふらつきといった症状が伴う場合は、病院に行ったほうがいい。若者はよく運動し、できるだけ屋外で活動してほしい。そして、普段の仕事や生活において、座る姿勢に注意し、座っている時間が長くなった場合は、手を止めて少し体を動かしたほうがいい」とアドバイスしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年8月10日
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