「増強版」大型連休の盛り上がりに見る中国の消費V字回復の兆し

人民網日本語版 2023年10月07日16:25

中秋節(旧暦8月15日、今年は9月29日)と国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせて、今年は9月29日から10月6日まで8連休となった中国。さらに盛り上がりを見せている第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)の開催が重なり、「増強版」となった今回の大型連休には、多くの人が旅行に出かけた。飲食や移動、観光スポット、宿泊施設などのサービス消費は力強い伸びを見せ、ホリデー経済を主に牽引する原動力となった。例えば、今月5日にフードデリバリー大手「美団」が発表した「8連休消費データ」によると、中国全土の1日当たりのサービス消費規模が、2019年同期比で153%増となり、ここ5年で最も活況を呈した国慶節休暇となった。

上空から見た広西壮(チワン)族自治区の北海十里銀灘の景色(ドローンによる撮影・李君光)。

上空から見た広西壮(チワン)族自治区の北海十里銀灘の景色(ドローンによる撮影・李君光)。

美団のデータによると、中国全土で最も人気となった観光都市トップ10は北京、上海、南京、西安、成都、重慶、武漢、長沙、杭州、洛陽だった。ニッチな都市のホテルの利用数は2019年と比べて増加幅が最大となっている。

また中国の消費者は8連休中、中国国内だけでなく、海外にも足跡を残した。口コミサイト・大衆点評のユーザーは、135ヶ国・地域で、飲食やアクティビティを体験していた。中でも最も人気だった旅行先は、香港・澳門(マカオ)特区、東南アジア、日本、韓国だった。

中国とベトナムの国境に接している広西壮族自治区憑祥市の「友誼関」景勝地は連日、そこを観光する観光客のほか、ベトナムへ向かう観光客で大混雑となった。広西憑祥和平国際旅行社有限公司の鄧慶芳業務経理によると、8連休中、同市では、1日当たり観光客100人以上が出国手続き行った。企業も市場のニーズに合わせてより多くの新たな旅行ルートや観光商品を打ち出したという。

一方で、杭州アジア大会の競技会場に行って、素晴らしい試合を観戦するというのも8連休中における胸の高ぶる選択肢の一つとなった。美団や大衆点評のデータによると、連休中、杭州アジア大会ブームに乗って、浙江省のサービス消費のオーダー数が2019年同期比で195%増を上回る伸びを見せた。都市別の増加幅トップ5には、舟山、台州、寧波、嘉興、温州がランクインした。また、杭州市の飲食店のオーダー数が443%増、スポーツ・フィットネスのオーダー数が762%増となった。

10月4日、広西壮族自治区南寧市の三街両巷でパフォーマンスを見る人々(撮影・陸波岸)。

10月4日、広西壮族自治区南寧市の三街両巷でパフォーマンスを見る人々(撮影・陸波岸)。

中国で新たに人気を集めつつある「ホテルツアー」を楽しむため、人気ホテルに「泊まって遊ぶ」ことを体験する消費者もいた。8連休中、大衆点評の「絶対に泊まってみたいホテルランキング」にランクインしたホテルの宿泊者数は前月比で120%増となった。同ランキングに名を連ねている上海の和平飯店(フェアモント・ピース・ホテル)は、和平博物館や9ヶ国の独特な建築様式で装飾されたスイートルーム、外灘(バンド)を一望できるテラスを巡る「ホテルツアー」を1日3回企画しており、宿泊客は100年前の上海に「タイムスリップ」したような気分を体験することができる。

食べ歩きやスポーツ観戦、ショー鑑賞、シティサイクリング、さらにはホテルツアーなど、8連休中は、フレッシュなアクティビティやスタイルが続々と登場し、豊富な旅行体験が提供されたほか、消費市場に新たな活力が注入された。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年10月7日

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