村上春樹氏の新作「街とその不確かな壁」の中国語翻訳権が「超高額」に
日本の作家・村上春樹氏の新作「街とその不確かな壁」の中国語版が来年にも中国で出版されることが、注目を集めている。中国国内の各出版社がこの新作の中国語(簡体字)への翻訳(出版)権をめぐって熾烈な競争を繰り広げ、最終的に「超高額」で「読客文化」が手に入れた。中国語版は2024年の夏に刊行される計画だ。翻訳は、村上氏の作品「1Q84」などを翻訳した著名な翻訳家・施小煒氏が担当するという。
村上氏は29歳の時に小説を書き始め、「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞してデビューした。5作目の「ノルウェイの森」は出版と同時に大ヒットとなり、世界で1500万部売れる大ベストセラーとなった。そして、各国で相次いで映画化された。その頃から、村上氏が新作を出すたびに、ベストセラーとなり、東アジアの多くの文芸青年や作家に影響を与えるようになった。2017年に長編小説「騎士団長殺し」を刊行してから6年ぶりに書下ろし長編小説「街と、その不確かな壁」が今年4月13日に日本で刊行されると、再び大きな注目を集めた。
「街とその不確かな壁」は大ヒットとなり、口コミも非常に高くなっている。じっくりと読んだ読者は、この新作を「過去の作品の『かき混ぜ棒』のようだ」とし、「村上氏の全作品の『集大成』」と分析している。また、その魅力に注目している読者は、「読む人の心を揺さぶる世界観があり、この小説を通して世界と密接につながることができる」と感想を寄せている。さらに、「ハルキスト」は、この新作を「自分の命の恩人」とし、「村上氏への愛が深まった」としている。
この新作の中国語への翻訳権「争奪戦」も、出版業界の大きな注目の的となってきた。今回、どれほどの「破格な値段」で翻訳権を手に入れたかについて、「読客文化」は明らかにしていない。5年前に村上氏の「騎士団長殺し」の中国語版が出版された際、翻訳者は「翻訳した全ての文字、ひいては全ての句読点も含み、計算すると1文字当たり約25元(1元は約20.5円)になる。円ではなく、元だ」と説明した。1文字あたり25元で、同作品は50万字以上だったため、業界では、その翻訳権は1200万元以上と推定している。
「読客文化」で版権ディレクターを務める任氏は、「村上氏の作品を手掛けたいとずっと考えていたが、ここ数年新作がずっとなかった。手掛けるための実力をコツコツとつけると同時に、その機会をずっと探っていた。争奪戦において、新作のテキストに対する理解や今後の運営の方向性など、しっかりとした資料を準備し、作者や権利者に、真摯に思いを伝えた」と説明している。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年10月23日
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