2023年「ヒューゴー賞」が成都で発表 中国の海漄氏が「中編小説部門」で受賞

人民網日本語版 2023年10月24日14:04

四川省成都市で開催された2023年世界SF大会(ワールドコン)において21日夜、2023年の「ヒューゴー賞」17賞、関連する賞2賞が発表された。「中編小説部門」では、中国の作家・海漄氏の「時空の絵師(原題「時空画師)」が受賞した。中国において「ヒューゴー賞」が発表され、授賞式が行われるのは今回が初めてのことだ。新華社が報じた。

10月21日に成都で撮影した2023年「ヒューゴー賞」授賞式の様子(撮影・唐文豪)。

10月21日に成都で撮影した2023年「ヒューゴー賞」授賞式の様子(撮影・唐文豪)。

「中編小説部門」で受賞した海漄氏は、劉慈欣氏と郝景芳氏に続いて「ヒューゴー賞」を受賞した3人目の中国人SF作家となった。「短編小説部門」は、サマンサ・ミルズ氏の「Rabbit Test」が、「中長編小説部門」はC・L・ポークの「Even Though I Knew the End」が、長編小説部門は、T・キングフィッシャー氏の「Nettle & Bone」が受賞した。

10月21日に成都で撮影した2023年「ヒューゴー賞」授賞式の様子(撮影・唐文豪)。

海漄氏(撮影・盧宥伊)。

海漄氏の「時空の絵師」を通して、多くの人が「歴史SF」という概念に興味を抱くようになった。一般的なSF作品の多くは「未来思考」であるのに対して、同作品は、歴史からインスピレーションを得ており、故宮の地下倉庫に眠っていた宋の名画「千里江山図」を通して、埋もれていた歴史が脚光を浴びるというストーリーだ。同作品の構想について、海漄氏は「中国中央テレビの文化財をテーマにした番組『国宝檔案』を見ていた時に、『千里江山図』を目にし、その作者である王希孟に興味を持ち、資料を収集するようになった。彼は天才少年で、その後に続く者がいないという点が、私の興味をそそった。SFファンである私は、SF思考を通して、それを描き出してみたいと思い、この小説を書いた」と説明する。

「ヒューゴー賞」は、アメリカSF界最初期の功労者であるヒューゴー・ガーンズバック氏を記念するために、非営利団体「ワールドSFソサエティ」が1953年に創設し、毎年発表されている。今回は、英語を母語としない参加会員数が史上最も多い回となったことは注目に値する。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年10月24日

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