【旅するG姐~貴州編③~】苗族刺繍を体験!
出張で訪れた貴州省台江県施洞鎮で、苗族刺繍を見学したG姐。流れるような手つきで刺繍する苗族の女性たちを目にし、思わず好奇心をくすぐられ、体験させてもらうことに。果たしてその結果はいかに?
台江苗族刺繍のモチーフ「胡蝶媽媽」
頭にはきらびやかな銀の髪飾りを挿し、美しい刺繍が施された衣装を着た縫い子さんたちがそれぞれの作品を刺繍する中、私の目を惹いたのは蝶々のモチーフ。これは「胡蝶媽媽」と呼ばれるモチーフで、苗族の神話の中に出てくる苗族の祖。生命を育み、成長を象徴しているため、苗族の女性たちは好んでこの「胡蝶媽媽」を衣服に刺繍する。これらのデザインや色づかいは母から娘へと代々受け継がれてきたものだという。
優雅な手つきで「胡蝶媽媽」を刺繍する劉さん(撮影・玄番登史江)。
いざ!挑戦!
まずはモチーフの下描き。イラストが趣味なので、これは問題なし!と思っていたら、描きあがった蝶々は左右の羽のバランスがおかしかった…。出だしからなんだか雲行きが怪しい…。それでもマスコットづくりや西洋の刺繍も経験したことがあったので、何とかなるだろうと気を取り直すも、そうは問屋が卸さない。まずシルク糸が思ったよりもやわらかい。ちょっと気を抜くと絡まってしまうし、あまりきつく引っ張ると縫い目の隙間があいてしまう…。これは思ったよりもずっと難しい。そして後から動画を見て思ったのだが、縫い子さんたちの手つきの優雅なこと!糸をスーッと引っ張るさまが絵になっている。一方の私は、時間に追われていたこともあり、必死に先を急いでいる感じが全身から見て取れる。隣で指導してくれた劉さんから「慌てない、慌てないで」と何度も言われた訳だ。
当然ながら短い見学時間で縫うことができたのは本当にほんの一部だけ。劉さんによると、私が描いた下絵のモチーフを完成させるには、最低1日はかかるという。4、5歳から刺繍を学び始め、10年ほどして、ようやく自分で大部分の刺繍をした服が作れるようになると話す劉さんの着ていた衣装にびっしりと施された刺繍を目にし、「にわか縫い子」の私はこれを作り上げるのに一体どれだけの時間と労力がかかったのだろうと、軽く目まいを覚えたのだった。(文・玄番登史江)
「人民網日本語版」2023年10月30日
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