中国の語言文学雑誌「咬文嚼字」編集部が、読者からの応募、ネットユーザーによる投票、専門家とメディアによる選出を経て、毎年選出しているその年の「流行語トップ10」。今年も12月4日に上海で「2023年流行語トップ10」が発表された。ここではその中から一部をピックアップし、「イラストで知ろう!イマドキ中国」のキャラたちが流行語にまつわるアレコレを5回シリーズで紹介する。人民網が伝えた。
3回目は「顕眼包(目立つ存在)」。外見や性格といった特徴が人々の注目を集める人を指す。もともとは人を貶す意味合いの「目立ちたがり屋」といった意味で使用されていたが、現在では「目立つ存在」といった褒める意味合いで使用されるようになっており、貶す意味合いは次第に失われつつある。
この意味合いの変化は主にバラエティ番組やショート動画などである種の可笑しみを備えた目立つ存在に使われるようになったことから生じている。その目立ち方が「目立ちたがり屋」という人々に忌避される類のものから、可愛らしさやユーモア、可笑しみを備え、見ている人々にある種の楽しみを与えてくれる類のものになったためだ。
そこからネットユーザーたちは、「どんな生き物も、どんな分野にも目立つ存在はいる」とし、人だけでなく、博物館の文化財や動物園の動物などの目立つ存在も「顕眼包」と表現するようになっている。
日本では「目立つ」ということに対して、マイナス的思考が多いが、中国では人口が多く、競争が激しいため、「目立つ」ことに対して、プラス思考が多いように感じられる。さらに現在はライブコマースやSNSにより、一般の人であっても、「目立つこと=経済的利益を得られる」という図式が成り立つようになっていることも、より一層「目立つ」ことへの欲求を高めていると言えるかもしれない。
しかしこの「顕眼包」というワードは、これまでの「晒富(金持ち自慢)」や「最もつつましい言葉で、最も派手に自慢すること」を表現した「凡爾賽文学(ベルサイユ文学)」といったネット用語と比べると、「自分から発信する目立ち方」ではなく、「他人が見つけ出した目立つ存在」となっている点はちょっと面白いと思った(文・イラスト・玄番登史江)。
イラストで知ろう!イマドキ中国
人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。
「人民網日本語版」2023年12月13日
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