超大直径シールドマシン「京浜同心号」が初発進

人民網日本語版 2023年12月13日13:30

北京・天津・河北都市間鉄道投資有限公司によると、中国が独自に研究開発した超大直径シールドマシン「京浜同心号」がこのほど天津浜海国際空港1号トンネル1号立坑から発進し、終点の2号立坑方向に掘進した。新華社が伝えた。

同シールドマシンの全長は135m、総重量は約2800トン、掘削直径は13.8m。掘削されるトンネルは高速鉄道の複線軌道用で、北京・天津浜海都市間高速鉄道の地下から天津浜海国際空港エリアを横断する1号トンネルの施工に用いられる。シールドトンネルの全長は約2923mで、最大埋設深さは約29.82m。同シールドマシンは発進後に京津塘高速道路、津漢道路、北塘排水路、天津地下鉄2号線李明荘車両区間などの重要地点の地下を横断し、北京・天津浜海都市間高速鉄道の天津浜海国際空港駅に入る。

地下の土質の粘性が高い上、トンネルの掘削直径が大きいため、施工中に沈下が発生しやすい。施工側は複数の措置を講じてリスクに備えている。

特殊材料を研究開発し土を固化。中鉄四局京浜鉄道4区間トンネル分部チーフエンジニアの李安氏は、「建設者が一部の区間で特殊な2種類のスラリーを同時に地層に注入すると、約20−30秒で泥が凝固する。これにより地表の沈下を抑え、施工の安全を保証する」と述べた。

掘進中の沈下をスマートに制御。中鉄四局京浜鉄道4区間トンネル分部サブチーフエンジニアの李然氏は、「京浜同心号は大量の施工データによりディープラーニングを行い、より良い掘進制御パラメータを形成する。こうして地表の沈下を大幅に減らし、軸線制御の精度を大幅に高めることができる」と述べた。

ロボットにより施工の精度を保証。シールドマシンが約2m掘進するたびに、後続の台車がボックスカルバートとRCセグメントを設置することでトンネルを支える。李然氏によると、幅約2mで、長さ約12.2mの鉄道ボックスカルバートの重さは約38.2トン。かつては機械の補助を受け人の手で設置し、1つの面の設置に少なくとも作業員3人が25分かかっていた。独自に研究開発した「6自由度自動調節ボックスカルバート設置ロボット」を採用すると、作業員1人が15分で1つの面を設置できるようになった。誤差は0.5mm以内。

京浜都市間鉄道は「鉄道で結ばれる北京・天津・河北」のシンボリックなプロジェクトだ。1期プロジェクトは2022年に完成・開通しており、2期プロジェクトは22年11月着工。天津市内の北辰駅から始まり、東麗区と浜海新区を経由し、津秦高速鉄道浜海西駅と津濰高速鉄道浜海駅に接続する。完成後は北京・天津間の3本目の都市間ルートを形成し、地域鉄道ネットワークの構造をさらに改善し、北京・天津・河北の協同発展を後押しする。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年12月13日

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