「中国天眼」、世界最大の中性水素銀河サンプルを構築

人民網日本語版 2023年12月14日11:00

貴州大学貴州電波天文台、中国科学院国家天文台、北京大学の研究チームは「中国天眼」(500メートル口径球面電波望遠鏡、FAST)のサーベイデータを利用し、世界最大の中性水素銀河サンプルを構築し、公開した。全世界の銀河及び宇宙学の研究者に向けて高品質な大規模サンプルの観測データを共有した。関連成果は学術誌「中国科学:物理学・力学・天文学」の巻頭記事に掲載された。新華社が伝えた。

中国天眼中性水素サーベイ(英語略は「FASHI」)はわずか3年で約7600平方度のサーベイ観測を完了し、4万1741の中性水素銀河サンプルを発見した。サンプル数とデータの質は中国内外のその他の中性水素サーベイプロジェクトをはるかに上回った。今後5年で10万以上の中性水素銀河を観測する見通しだ。

水素は元素周期表における1つ目の元素で、宇宙で天然存在比が最も高い元素、銀河の重要な構成部分だ。中性水素(電離していない水素)は銀河の異なる進化段階に広く存在する。中国天眼はかすかな中性水素銀河を探査する強力な道具で、これまでの中性水素サーベイよりも高いスペクトルと空間分解能を持ち、カバー範囲がより広く、そのデータの質は信頼性がより高く、より揃っている。

研究チームは銀河宇宙学分野の研究者に向けて、現時点で世界最大の中性水素銀河サンプル、近傍銀河の中性水素ガスの分布、大スケール構造観測データを共有した。サーベイデータは銀河の低質量側の中性水素質量関数の研究、暗黒物質の性質の制限、未知のかすかな銀河の発見、宇宙の大スケール構造及び進化の研究などの課題にとって重要な意義を持つ。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年12月14日

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