擀面皮に62件もの特許 全産業チェーンで農家の増収を促進
擀面皮(かんめんぴ、小麦粉を伸ばして作った麺類)は陝西省宝鶏市の地域的特色のある軽食で、昨年は売上高が55億元(1元は約20.6円)を突破した。春節(旧正月、2024年は2月10日)が近づいて、擀面皮の売り上げが爆発的に伸び、1日の出荷量は100万食分にも達する。小さな擀面皮は、一体何によってこれほど大規模な生産能力を支えているのだろうか。その裏にどんな秘密が隠されているのか。
擀面皮に含まれる62件の特許
ここ数日、同市金台区にある擀面皮産業集積区では、物流車が擀面皮工場の前で製品を積み込む順番を待ってずらりと並ぶ光景が見られた。同区では、米国に発送する3万食分の製造が終わったばかりだった。
注文に間に合わせようと稼働中の擀面皮工場に足を踏み入れると、製造ラインがフル稼働していた。歯ごたえと透明感のある擀面皮がスマート化された製造ラインで次々に製造され、1分間当たりで200食分あまりがラインオフしていた。
予想外だったのは、この小さな擀面皮に、実は62件もの特許が含まれていることだ。生地の準備、洗い・浸水、熟成・成型、発酵の味わいなどに関するこれらの特許が、生地の工業化製造プロセス全体をカバーしている。取材した企業の責任者が、その中の中核的特許技術である擀面皮熟成技術を紹介してくれた。
陝西雑八得食品有限公司の責任者の孫煊さんによると、手作業では現在の消費ニーズに対応できない最大の問題は生産能力が十分に保証されていないことだ。今では擀面皮が生の状態から熟成した状態に変わる過程がこの特許技術によって実現しており、擀面皮の生産能力は2倍になり、1分間当たり機械1台の生産能力は60キログラムに達するという。
特許技術は生産能力の問題を解決したが、工業化生産により伝統的な味が失われることはないのだろうか。擀面皮の口当たりは保たれるのか。同公司の技術者は取材に、「擀面皮の口当たりを決めるのは発酵のプロセスだ。これまでの伝統的な生地の発酵プロセスは主に経験に頼っており、発酵の時間と火加減が安定しなかった。今、当社は西北農林科学技術大学と協力して、食品の工程とバイオテクノロジーの理念を結び付け、発酵の特許技術を革新的に打ち出し、技術を再現し、口当たりを保っている」と述べた。
全産業チェーンが牽引! 農家の懐を豊かにする小さな擀面皮
擀面皮の原料は小麦粉だ。取材してわかったのは、擀面皮は小麦の栽培から収穫、加工に至る包括的な産業チェーンを形成しており、農家の増収を促す大型産業に成長したことだ。
小麦の品種の選択から農地管理、最終的な収穫まで、すべて擀面皮企業の標準に基づいて作業が進められる。同区光明村は現在、約46.7ヘクタール以上の土地で栽培した良質な原材料を擀面皮メーカーに提供している。1ムー(約6.7アール)当たりの収入は2000元になり、農家はここから実質的な恩恵を受けている。
擀面皮を食べる時には、油、胡椒、酢などの調味料が必要で、こうしたニーズが関連産業を牽引して、農家の収入を増やすことにつながっている。同市は今や、原材料の栽培、製造・加工から消耗品・パッケージ材料、物流・輸送に至る擀面皮の産業チェーン全体で従業員が10万人を超えている。
2025年までに擀面皮産業の直接的な付加価値は100億元に達し、川上から川下に至る関連産業の付加価値も100億元に達し、ダブル100億元の目標が達成されると予測される。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年1月22日
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