「新中国スタイルのコーディネート」に欠かせない「馬面裙」

中国の文化財は語る

人民網日本語版 2024年01月23日09:33

藍色纏枝四季花織金粧花緞裙(山東博物館所蔵)

藍色纏枝四季花織金粧花緞裙(山東博物館所蔵)

両側面にひだが入ったロングスカート「馬面裙」は、宋の時代にすでに雛形ができ、明、清の時代に流行した。では、「馬面裙」はどれほど美しいものだったのだろうか?その美の極致が「藍色纏枝四季花織金粧花緞裙」だ。

「藍色纏枝四季花織金粧花緞裙」は、明の時代の代表的な「馬面裙」だ。桃色の薄布で作られたウェスト部分にはグリーンのリボンのようなベルトがあしらわれ、ブルーのサテンを使ったスカート生地には華やかな模様が施されており、富貴かつ優美で、なおかつ豪華さもある。明の時代の「馬面裙」には往々にして「裙襴」(スカートの膝や裾の部分を囲むようにして付けられた、布幅のある模様飾り)と呼ばれる装飾が施されており、その模様は多種多彩で、様々な意味や思いが込められている。「藍色纏枝四季花織金粧花緞裙」は、上部が「金の糸が使われた纏枝紋四季花」の模様で飾られているほか、下部には「裙襴」が3本入っており、模様は上から順に金鸞鳥紋、花翟紋、花翟紋・鈴鐸羽葆紋となっている。生地の色使いや、金の糸が使われた生地の使い方には工夫が凝らされており、スカート全体が光り輝いている。この「馬面裙」に採用されている「粧花緞」は、手織り工芸「南京雲錦」の中でも技術が最も複雑で、中国のシルク史の最高レベルの技術と言われている。今でも機械では織ることができず、1枚の布を2人がかりで織らなければならない。1人が図案を、1人が色を調整しながら織り、1日に最も多くて5センチから6センチしか織ることができないという。

明や清の時代に流行した「馬面裙」を、今のオシャレな若者が着用するようになっているということは、中国の美学の伝承であり、伝統文化と現代の生活の融合でもあると言えるだろう。(編集KN)

中国の文化財は語る

博物館は人類文明を保護し、伝承する重要な場。博物館に所蔵されている文化財は埃をかぶった骨董品ではなく、いずれも民族の生きてきた証となる生きた伝承だ。「中国の文化財は語る」では毎回博物館に所蔵されている文化財の紹介を通じて、文化財に込められた中国の文化と精神について紹介していく。

「人民網日本語版」2024年1月23日

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