2023年度の「科学のデマ」が発表

人民網日本語版 2024年01月24日13:39

「身分証明カードが携帯電話によって消磁される」「マットレスなしのベッドで腰椎症が治る」といった、ネット上で伝わるいわゆる「科学的な知識」をあなたは信じて疑わないだろうか。こうした一見すると「科学的な知識」について真相を解説した2023年度の「科学のデマ」が21日、正式に発表された。

1.遺伝子検査で子供の生まれつきの才能が明らかに

真相:生まれつきの才能には数多くの種類があるが、現時点ではヒト遺伝子のうち特定の遺伝子との関連性を研究・証明するいかなる実験も文献も存在しない。そのためこのような検査には科学的な根拠がない。

2.中国の科学者、月の年齢を20億3000年と測定

真相:科学界では一般的に、月の実際の年齢は40億年以上で、45億歳に近いとされている。「月の年齢は20億3000万年」は、最近の月の土壌の研究成果に対する誤判断だ。

3.宇宙で眼鏡をかけられないため、宇宙飛行士は近視であってはならない

真相:宇宙飛行士の選抜基準は確かに厳しい。しかし現在は軽度の近視であっても宇宙に行くことが認められる。

4.電気ポットで沸かした水は神経を損ねる上、がんを引き起こす

真相:電気ポットの材料にはマンガンが含まれるが、緻密な組織として存在しており、日常的な水の煮沸では析出されにくい。1000時間以上連続で煮沸した場合でも、析出されるマンガン元素は非常に限られており、人体への影響はほぼ無視できる。

5.「突然死予防セットメニュー」で突然死を予防できる

真相:医学的には、標準的な「突然死予防セットメニュー」は存在しない。コエンザイムQ10や魚油などはいずれもサプリメントに属する。現時点では、これらのサプリメントの摂取により突然死を効果的に予防できるとする医学ガイドラインまたは共通認識は存在しない。

6.マットレスなしのベッドで腰椎症が治る

真相:マットレスが柔らかすぎると、脊柱を適度に支えられない。一方、硬すぎると、肩や寛骨に対する支えに過度に依存し、同じく脊椎の歪みが生じる。中程度の硬さのベッド(硬めのマットレス)は人体の脊柱のカーブにより良く適応し、脊椎の歪みが最も少ない。

7. 身分証明カードが携帯電話によって消磁される

真相:現在広く使用されている第2世代身分証明カードはRFID技術を採用しており、内部には磁気ストライプは存在しないため、携帯電話によって消磁されることはない。

8.ヨウ素を含む塩の摂取で放射能を予防できる

真相:中国の食塩にヨウ素が添加されているのは、ヨウ素欠乏症を防ぐためだ。核汚染事故において人が放射性ヨウ素を摂取した場合、発生初期に1度に「安定ヨウ素」を100 mg摂取する必要がある。これは1度に3-5kgのヨウ素を含む食塩を摂取することに相当する。そのためヨウ素を含む食塩で放射能を予防することはできない。

9.カメラの画素数が高いほど画質が良い

真相:カメラの撮影効果はレンズと本体の両方によって決まり、単純にカメラの画素数だけで高画質を求めても実現できるものではない。カメラの画素数と画質の間に絶対的な関係はない。

10.「逆さまにし水を吐かせる」ことで溺れた人を救える

真相:「逆さまにし水を吐かせる」ことでは、溺れた人の血中酸素を補充できず、出てくる水の大半が食道や胃の中の水だ。すでに心肺停止している人に対しては、速やかに心肺蘇生法を実施するしかない。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年1月24日

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