中国の物流企業がポーランドにスマート倉庫8ヶ所建設 越境ECがよりスムーズに
ポーランドの西部にあり、ドイツと国境を接するスウビツェは人口2万人足らずの小都市だが、欧州の陸上交通で重要な通関地の1つだ。人民日報海外版が伝えた。
スウビツェ東部の郊外にある工業開発区のMBB物流公司のスマート倉庫では、活気に満ちあふれた様子で作業が進められていた。10数人の作業員がスマートロボットのサポートを受けながら、宅配便の荷物1個1個に素速くコードを貼り付けて小分けし、ベルトコンベアで物流トラックの荷台まで運んでいく。荷物は24時間以内にポーランドとドイツの消費者の手元に届き、48時間以内にその他の欧州連合(EU)加盟国の消費者の手元にも届く。
写真はMBB物流公司のスマート倉庫。
MBB物流公司は2010年に設立され、主にアマゾン、イーベイ、ポーランド最大のECプラットフォームのアレグロなどに物流の最初から最後までの全プロセスにわたるサービスを提供している。
同公司のスマート倉庫を訪れると、総面積約1万平方メートルの空間を、倉庫ロボット10数台が設定されたルートに従って動き回り、ラックから取り出した貨物をパッケージ台まで運んでいた。
同公司の創業者の高松さんは、「このスマート倉庫は2019年に運営をスタートしたもので、当時は中国の海外倉庫で唯一のハイレベル物流ロボットを使用したスマート倉庫だった。スマート倉庫はより安全・迅速で、効率的な運営モデルを提供してくれ、物流の効率を全面的に向上させてくれた。スマート倉庫のロボット駆動ソフトウェアと倉庫管理システムは、すべて中国のチームが独自開発したものだ。これまで、作業員が1日に倉庫内を15キロメートルから20キロメートル歩き回って、1時間に仕分けできる貨物は約170件だったが、今はロボットが1時間に700件の貨物を仕分けできる」と説明した。
同公司は現在、スマート倉庫を含めてスウビツェと周辺エリアに海外倉庫8ヶ所を構え、総面積は16万平方メートルに達する。それぞれの倉庫が縮小版の「義烏市場」のようで、電子製品、機械部品、ホーム・インテリア製品、日用雑貨など何でもある。こうした製品はパートナーの中国EC企業300社近くからのもので、その後ろの数千社に上る中国製造業企業とつながっている。
高松氏によると、中国ECのサービスレベルの向上にともなって、今年の春節(旧正月、今年は2月10日)前には倉庫に収められた貨物の数が大きく増加した。これまで毎年、春節前に受け取る中国からの貨物の量は1日当たり5TEU(20フィート標準コンテナ換算)だったが、今年は7TEUを超えたという。
同公司人的資源ディレクターのドロタ・コバルスカさんは、「地理的に有利な位置にあるおかげで、スウビツェ市の工業区には物流・輸送企業が数十社も集積しているが、現地経済に対して行った寄与では当社が絶対にトップレベルだ」と胸を張った。
コバルスカさんはさらに、「当社には現在、350人余りの社員がおり、その約半数が現地の人、残りの半分が周辺エリアから来た人だ。当社は2023年だけでも現地政府に各種の税金1200万ズウォティ(約300万ドル<1ドルは約150.3円>)を納めた」と説明した。
同公司は14年に及ぶ発展の道のりを経て、今ではポーランドに軸足を置きながら、欧州市場に目を向け、これまでに中国越境ECと欧州の現地EC企業に複数種類のソリューションを提供している。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年2月21日
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