生成AI搭載のスマホが今後の主流に?シフトを加速させる中国のメーカー
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中国中央広播電視総台の「2024年春節聯歓晩会(通称「春晩」、春節<旧正月>を祝う中国の国民的年越し番組)」のリハーサルにおいて、司会者数人が舞台裏から、AI(人工知能)が搭載されたスマホを使って全国の視聴者に、新年の挨拶をしたのをきっかけに、多くの人が初めて「AIが搭載されたスマホ(以下、「AIスマホ」)」を知ることになった。AIスマホはアプリではなく、スマホの計算能力を頼りに、ユーザーが必要としているサポートを直接提供することができる。今年、中国市場における次世代AIスマホの出荷台数は3700万台に達し、2027年にはその数が1億5000万台に達して、次世代AIスマホの市場シェアは50%以上になると予想している機関もある。
今年1月に、サムスンが発表したAIスマホが注目を集めた。アップルも次世代iPhoneに生成AIを搭載するのではないかという情報もある。スマホからAIスマホへの舵切りが今、大きな流れとなっている。華為(ファーウェイ)や栄耀(honor)、小米(シャオミ)、OPPO、vivoといった中国のスマホメーカーも基盤モデルをスマホに搭載することに成功するなど、舵切りを進めている。
そんな中、スマホメーカーの魅族(Meizu)は最近、伝統的なスマートフォンの開発を終了し、人工知能(AI)にすべての経営資源を集中させる「All in AI」というプロジェクトを突然発表した。また、OPPOの創始者・陳明永氏も、従業員向けメモで、「2024年はAIスマホ元年となるだろう。今後5年、AIがスマホ業界に与える影響は、スマホがフィーチャーフォンに取って代わるようになった時の影響に匹敵するだろう。業界の発展段階という観点から見ると、AIスマホは、フィーチャーフォン、スマホに続く、スマホ業界の第三段階となるだろう」との見方を示した。
AIスマホは具体的にどんなことができるのだろうか?現時点で発売されているAIスマホの評価・状況を見ると、生成AIが得意とするファイル整理のほか、便利な画像処理機能がある。例えば、写真に写るメイン以外の人や不必要な背景、逆光が原因の光線などを「ワンタップ」で削除できる。そのようにAIが自動で処理してくれた写真は、人間が時間とエネルギーを使って専門の画像処理ソフトで処理するよりも自然な仕上がりとなる。
ではアプリを使って画像やテキストを処理するのとはどんな違いがあるのだろうか?AIスマホの最大の違いは、スマホ本体の計算能力を頼りに処理する点だ。これらの機能を実現するためには、以前はアプリを通して、情報をクラウド上に送らなければならなかったため、処理速度や反応速度に一定の影響を与えていた。それに対して、AIスマホは「スマホとクラウドの協調」が実現しているため、大量の計算が必要となる複雑な任務はクラウド上で行う以外、一般的で簡単な任務はスマホ本体に搭載されている基盤モデルで処理することができ、作業効率が大幅に向上している。
業界関係者は、「全体的に見て、AIスマホは商用化初期にある。現時点で、AI基盤モデルを情報検索やテキスト処理、画像処理といった機能に応用する試みが始まっている。今後、スマホメーカーは、AI基盤モデルと、音声アシスタント機能の融合をさらに進めると同時に、デバイス上のAIと、クラウド上のAIの関係のバランスを取り、AI基盤モデルと新たな分野や機能の組み合わせに踏み込んでチャレンジするようになるだろう。しかし、それにはまだ一定の時間が必要だ」との見方を示している。
「2024年AIスマホ白書」は、今年、世界の次世代AIスマホの出荷台数は1億7000万台に達し、スマホの出荷量に占める割合は15%ほどに達すると予想している。中国市場では、新世代AIスマホのシェア率が急上昇傾向にあり、今年、その出荷台数は3700万台に達すると予想されている。さらに、2027年には、出荷台数が1億5000万台に達し、市場シェアは50%を超えると予想されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年2月29日
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