ある報告によると、今年第1四半期(1-3月)、世界のスマホ市場の出荷台数が大幅に減少し、一部の有名ブランドの出荷台数は前年同期比で2桁台の減少となった。スマホ市場で今、何が起きているのだろうか?中国新聞網が報じた。
平安証券が発表した研究報告によると、現在、世界の経済に対する下振れ圧力は強まり続けるばかりで、川下の消費・需要も疲弊しているほか、スマホは目新しさがなくなり、商品の同質化が深刻であることも重なり、スマホ業界は在庫処分の段階に入っている。調査機関・IDCの統計によると、2022年、世界のスマホの出荷台数は前年比11.3%減の12億1000万台だった。
通信業界のオブザーバーである中関村情報消費聯盟の項立剛理事長は、「経済的原因のほか、スマホ業界が新たな技術革新により出荷台数を伸ばすことができていないというのも大きな理由。特にアップルやサムスンのイノベーション力が低下しており、中国国内市場では、華為(ファーウェイ)が逆風に直面しているため、消費者の買い替え意欲は強くない」と分析している。
調査会社・カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチの報告によると、世界経済の低迷の影響のほか、スマホ市場は主要ブランドの新商品の供給という面で打撃を受けている。また、消費者は、長持ちするスマホを選んで購入するようになっており、それにより買い替えサイクルがさらに伸びている。
事実、長持ちするスマホが多くなっており、iPhone 6 Plusや小米(シャオミ) のXiaomi6 など数年前に発売されたものの、今でも現役で使っている人が多く、「超ロングセラー」となっているスマホがある。小米の雷軍最高経営責任者(CEO)は、そのことに頭を悩ませているようで、4月に、Xiaomi13を発表した後、「まだ、Xiaomi 6を使っている人がいるなら、13に買い替えることをお勧めする」とした。
スマホ買い替えに大きな期待を寄せられている若者もそれほど頻繁にスマホを買い替えなくなっている点は注目に値する。
市場調査会社・艾瑞諮詢(iResearch)が今年3月に発表した報告によると、スマホを買い替えるサイクルについて、Z世代の79.5%が「1‐3年」と答え、価格については75.9%が「2000-6000元(1元は約19.5円)」を選んだ。平安証券の研究報告によると、ユーザーの買い替えサイクルは43ヶ月に伸びた。
また、艾瑞諮詢の報告によると、スマホはすでに、消費者体験に注目する新たなステージに突入している。Z世代の消費者にとって、スマホは単なる機能型商品ではなく、自分の個性や価値意識を表すもので、理性的な消費、ブランドに対する信頼、文化的アイデンティティに基づく良好なインタラクティブな関係が構築されつつある。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年5月8日