中国の科学者、抗疲労の3Dプリントチタン合金を開発

人民網日本語版 2024年03月01日13:40

中国科学院によると、中国科学院金属研究所の張哲峰氏のチームはこのほど、高い抗疲労性能を持つ3Dプリントチタン合金材料を作成した。研究成果は2月29日付の「ネイチャー」に掲載された。人民網が伝えた。

研究者は、「理想的な状態における3Dプリント技術で直接作成するチタン合金組織(ネットAM組織と呼ばれる)は天然の極めて高い抗疲労性能を持つはずだが、プリント中に生じる気孔などの欠陥によりその組織の抗疲労の長所が隠れてることにより、実測した3Dプリント材料の抗疲労性能が大幅に低下する。しかし、現在の気孔除去プロセスは往々にして組織の粗化を伴う一方で、組織の細密化処理は気孔の再発をもたらし、さらには結晶粒界におけるα相の濃化などの新たな不利な要素を引き起こすこともあり、ジレンマに陥ってしまう」と初めて明確に提起した。

研究者はTi-6Al-4V合金で初めて、高温状態の3Dプリント組織の結晶粒界移動及び気孔の成長が相転移プロセスと非同時性の特性を示すことを発見した。これは貴重な熱処理のプロセスウィンドウが存在することを意味する。縞状組織の細密化を実現できる上、結晶粒界におけるα相の濃化や気孔再発も効果的に抑制できる。そのため、研究者は巧みにこのプロセスウィンドウを利用し、欠陥と組織を段階的に調整する新しいプロセスを開発し、最終的にほぼ気孔が存在しないニアネットAMに近い組織「Ti-6Al-4V合金」を作成した。その引張-引張疲労強度は元の状態の475メガパスカルから106%増となる978メガパスカルに向上した。

対比により、この合金がすべてのチタン合金材料の中で最も高い引張-引張疲労強度を持つだけでなく、現在まで報道されている材料疲労データの中で最も高い比疲労強度(疲労強度/密度)も持つことが分かった。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年3月1日

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