中国の深部砂岩塩水層、CO2貯留に適していることが試験で証明
黒竜江省生態地質調査研究院が1月31日、同研究院の教授レベルシニアエンジニアである馬永法氏の研究チームが実施を担当する松遼盆地林甸地区深部塩水層CO2(二酸化炭素)地中貯留プロジェクトに段階的な進展があった。同研究院は初めて深部砂岩塩水層CO2・水混合溶解注入試験を実施した結果、深部塩水層へのCO2の地中貯留が適していることを証明した。そして単一井の注入流量は24.3立方メートル毎時を上回ったと明らかにした。科技日報が伝えた。
化石エネルギーから完全に脱却できない現在、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS)技術がカーボンニュートラル技術の不可欠な部分として、パリ協定の温室効果ガス削減目標と中国のカーボンニュートラル目標を達成するための重要な手段及び最終的な保証とされている。
炭素の削減・制御における科学技術イノベーションのサポート的・牽引的役割を強化するため、黒竜江省地質鉱産局が松遼盆地林甸地区深部塩水層CO2地中貯留ポテンシャル及び先導注入試験研究プロジェクトを企画し、黒竜江省生態地質調査研究院が実施を担当した。
長期間にわたる模索と研究を経て、馬氏のチームは松遼盆地林甸地区深部砂岩塩水層CO2地中貯留適正評価体系を構築し、評価活動を実施した。中国で初めて地熱井資料を利用し松遼盆地林甸地区深部砂岩塩水層CO2地中貯留のポテンシャルを評価した。理論的な貯留量は478億9100万トンで、有効貯留量は11億4900万トン。その2層構造単元はいずれもCO2の貯留に適している。
このほど、アイスランドで初の玄武岩CO2・水混合溶解注入貯留試験が行われた。モニタリングにより、混合溶解注入はCO2、水、貯留層岩石の反応による鉱物生成時間を大きく加速させ、CO2をより安全に地中に貯留できることが分かった。馬氏のチームはこれに基づき現場で注入プラットフォームを構築し、いち早く深部砂岩塩水層でのCO2・水混合溶解注入試験を行った。
馬氏は、「深部塩水層CO2地中貯留技術が日増しに成熟するのに伴い、深部塩水層をCO2貯留の地質的貯蔵庫に変えられる。これらの貯蔵庫は安定的な地質的特徴と貯留能力を持ち、CO2を長期的かつ安全に貯留し、排出と環境汚染を減らせる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年2月1日
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