中国とロシアが共同実験室を設立、アムールトラを保護

人民網日本語版 2024年03月15日13:34

中ロアムールトラ保護・回復研究共同実験室が14日、東北林業大学で設立された。業界関係者は、「これは中ロ共同のアムールトラ・アムールヒョウの研究・保護活動における重要な出来事だ」としている。新華社が伝えた。

アムールトラは世界の絶滅危惧種の大型ネコ科動物で、主な生息地はロシア極東地域と中国の東北地域にあり、食物連鎖の頂点捕食者で、生息地の健全性の指標種でもある。食物連鎖の調節、生態のバランス、生物多様性の維持などの面で重要な役割を果たす。

データによると、20世紀末の中国の野生のアムールトラは10数頭しかなかった。天然林保護プロジェクト、自然保護地体系建設などの持続的な推進により、中国の科学研究者が近年モニタリングした野生のアムールトラ個体群には、少なくとも20頭の子供が含まれる。しかし、近親交配によって誘発された群れの免疫力低下や個体群の衰退などが、アムールトラの持続可能な生存と発展を脅かしている。

国際動物学会の劉明副研究員は、「アムールトラが頻繁に中ロの国境を跨ぎ活動することは、一国のモニタリングと保護措置だけでは完全・有効ではなく、国境を越えた協力が特に重要であることを意味する。またアムールトラは生息地の喪失、密猟、人間との衝突、気候変動など複数の課題にも直面している」と述べた。

中ロ双方は早くも2010年に、「中ロアムールトラ・アムールヒョウ越境保護」協力協定に署名した。今回の共同実験室は、東北林業大学国家林業・草原局ネコ科研究センター、ロシア科学アカデミー生態学・進化学研究所から構成される。中ロからの20数人の専門家が参加。研究分野には、野生動物の生態・管理、アムールトラの飼育・繁殖、野生動物遺伝学、獣類感染症モニタリングなどが含まれる。

共同実験室専門家委員会主任で、東北林業大学教授の姜広順氏は、「関連計画によると、双方は将来的に絶滅危惧動物保護・研究の国際科学研究チームを立ち上げ、中ロのアムールトラ保護理論・技術交流をさらに深め、関連データの共有を促進し、アムールトラの遺伝子バンクの構築、アムールトラなどの野生動物の感染症モニタリング、アムールトラの子供の行為・発育研究、人とトラの衝突予防・コントロールなどで協力する」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年3月15日

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