24回足を運んでも尽きることの無い四川省「蜀道」への思い抱く米国人女性

人民網日本語版 2024年03月26日14:21

「『蜀の桟道』が大好きな思いは今も全く変わらず、もう十分だと感じたことは一度もない」と話すのは白髪の米国人女性ホープ・ジャストマンさん。彼女はここ数日、登山靴を履いて、友人たちと古樹が鬱蒼と生い茂る四川省広元市にある「剣門蜀道」を歩き、時々足を止めては写真撮影し、古道や古樹を楽しんでいた。中国新聞社が報じた。

四川省広元市の「剣門蜀道」を歩くホープ・ジャストマンさん(3月18日撮影・苗志勇)。

四川省広元市の「剣門蜀道」を歩くホープ・ジャストマンさん(3月18日撮影・苗志勇)。

80代になるジャストマンさんは最近、友人と一緒に再び四川省広元市を訪問し、24回目となる「蜀の桟道」の旅を始めた。米フィラデルフィアに住むジャストマンさんはほぼ毎年、中国に来て、「剣門関」を中心に、四川省と陝西省にある「古蜀の桟道」を歩いている。また、招待を受けて、「蜀の桟道」文化交流イベントに何度も参加し、「剣門蜀道の使者」の称号まで授与されている。

1942年に米国で生まれたジャストマンさんは、マウント・ホリヨーク大学で学んでいた際、中国の伝統文化に魅了され、中国語を専攻して修士号を取得したほか、中国の歴史や文学、芸術などの研究に長年携わってきた。そんな彼女はある時、博物館で唐の時代の山水画「明皇幸蜀図」を目にして、高く聳える山塊が林立し、険しい道が続く「蜀の桟道」に心を揺り動かされ、「本当にこんな道が存在するのだろうか?必ずこれを探しに行きたい」と思うようになったという。そしてジャストマンさんは2001年、初めて広元市にある「蜀の桟道」を歩いた。

「明皇幸蜀図」

「明皇幸蜀図」

見渡す限り全てが樹齢千年以上の古樹で、足元に続いているのは千年以上の歴史を誇る古道だ。ジャストマンさんが初めて訪れたのはすでに20年以上前のことであるものの、彼女の「蜀の桟道」の第一印象は今も胸に刻みつけられており、「まるで『明皇幸蜀図』に入り込んだような気持ちになった。なぜならこの道は古代ローマの道よりもはるかに悠久の歴史を誇る『蜀の桟道』だからだ」と振り返る。

友人と共に「剣門蜀道」で植樹するジャストマンさん(写真一番左、3月18日撮影・苗志勇)。

友人と共に「剣門蜀道」で植樹するジャストマンさん(写真一番左、3月18日撮影・苗志勇)。

広元市出身の李孝君さん(67)は、長年、ジャストマンさんのガイドを務めている。李さんは、ジャストマンさんについて、「中国語が上手だし、本当に『中国通』。毎回、『蜀の桟道』に来るたびに、ジャストマンさんは、各古道に関する資料を集め、風習や習慣をチェックし、現地で友達を作っている。ジャストマンさんの中国の歴史や文化に対する思いは、一種の執着とも言えるほどで、『蜀の桟道』の全てを徹底的に知ろうとしている」と話す。

ジャストマンさんは、自分の足で歩いて、「蜀の桟道」に対する理解を深め、資料を集め続け、一人でも多くの人に「蜀の桟道」を探索してもらおうと、それらをまとめた本「Guide to Hiking China's Old Road to Shu」も出版した。その他、海外に「剣門蜀道」のサイトも開設して、中国の歴史や文化、風習、習慣を記録して、米国の人々に、おすすめの「剣門蜀道」の美しい自然の景色を紹介している。

「剣門蜀道」で数年前に植樹した木を見るジャストマンさん(3月18日撮影・苗志勇)。

「剣門蜀道」で数年前に植樹した木を見るジャストマンさん(3月18日撮影・苗志勇)。

近年、多くの「蜀の桟道」ファンが、ジャストマンさんと連絡を取り、一緒に中国を訪問して、古樹が鬱蒼と茂る歴史ある「蜀の桟道」を歩いている。ジャストマンさんは、「『蜀の桟道』は、単に本で紹介されている場所や博物館の展示品で紹介されている場所ではなく、歴史をリアルに感じ、触れることのできる存在だ」と話す。

ジャストマンさんは今回、数年前に「剣門蜀道」に自分で植えたスギの苗木を見に行き、そこに肩を寄せながら「私の一部を中国、そして『蜀の桟道』に残すことができたわ」と話した。

ジャストマンさんが「『剣門蜀道』が大好き」と書いた風鈴の短冊(3月18日撮影・苗志勇)。

ジャストマンさんが「『剣門蜀道』が大好き」と書いた風鈴の短冊(3月18日撮影・苗志勇)。

3月21日、ジャストマンさんは24回目となった「蜀の桟道」の旅を終えた。そして、ジャストマンさんは近くシルクロードを見るために雲南省に向かう予定だという。ジャストマンさんは現在、一人でも多くの人に中国の古道について知ってもらうため、新たな著書の出版に着手しており、その資料を収集しているところだ。そして、「それをやり遂げるパワーがほしい。『蜀の桟道』やそこにある古樹は、すでに私の命の一部になっている」とした。(編集KS)

「人民網日本語版」2024年3月26日

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