10ヶ国に出張、飛行距離20万キロ以上、100社近くから受注 市場開拓で世界を飛び回る浙江省の企業経営者

人民網日本語版 2024年04月15日08:37

(画像著作権はCFP視覚中国所有のため転載禁止)

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10ヶ国、20数都市、飛行距離20万キロ以上。この一連の数字は、瑞麗家紡の費中富会長が2023年に行った海外市場開拓に関するデータだ。費会長の営業努力により、受注先は100社近く、受注総額500万ドル(1ドルは約153.5円)以上に達した。

浙江省桐郷市に位置する瑞麗家紡は、海外市場の開拓に全力を挙げてきた。

創業から20年近く、費会長は一貫してソファ・ファブリック関連分野に力を注ぎ、主要なデザインのソファはヨーロッパで売れ筋商品となり、国内での生産能力と販売量はトップの地位にあった。しかし、2022年には輸出受注量が一時的に大きく減少した。

1つには、コミュニケーション上の妨げがその要因となった。1つの注文の交渉に計3-4ヶ月かかり、最終的には外国企業に注文を取られたこともあった。費会長によると、対面でのコミュニケーションが減少したため、海外の顧客の中には、同社の状況が分からず、契約通り生産できないのではないかと懸念する顧客もいたという。

また、外需の低迷も一因だ。長年提携関係にあった外国企業が突然解散を発表し、15万ドル相当の商品が出荷できなくなったこともあった。こうした環境の変化により、一部生産停止に追い込まれた。しかし、費会長は「立ち向かえば、乗り越えられない試練はない」ことを良く知っていた。

2023年の貿易市場を思い起こし、費会長は「時間との競争だった。走り出して初めて希望が持てた」と感慨深げに語る。

この1年のスケジュールは多忙だった。1月には、ドイツのフランクフルトでホームテキスタイル展に参加し、新規および既存の顧客と商談し、デンマークのオーフスとポーランドのカトヴィツェでそれぞれ10万ドル、20万ドルの受注契約を結んだ。3月には、ドイツのベルリンで家具市場を訪れた。5月には、ハンガリーのブダペストで7万ドルの受注契約を結び、ドイツのケルンでも120万ドルの受注契約を締結した。6月には、フランスのリヨンで昔からの顧客を訪れた。9月には、日本の大阪で展示会に参加した。11月には、ポーランドのワルシャワで35万ドルの受注契約を締結した。

訪問時の誠実さと中国製品の品質は、顧客の心を度々動かした。ドイツのフライブルクでは、地元の企業が特別な「プレゼント」を用意していた。企業の役員達が臨時の楽団を組み、中国の曲「鴻雁」を演奏したのだ。この曲は、以前彼らが訪中した際、費会長が車内で流していたものだった。双方はその場で45万ドルの契約を締結した。海外へと赴き、海外顧客と商談を重ねる中で、費会長は受注を重ね、工場は再び忙しくなった。

今年2月29日、フランスのパリでオリンピック村が正式に引き渡され、瑞麗家紡の生産した3000台のソファが宿舎の標準装備家具となった。苦労して勝ち取ったこのオリンピック村の「入場券」も、費会長の受注営業が実を結んだものと言っていいだろう。

国際市場に認められた背景には、製品の革新と品質向上への追求がある。ニーズの変化に対応するため、瑞麗家紡はイタリアにスタジオを設立し、デザインを研究している。さらに、ドイツの有名な家具企業と提携して、新製品の開発を強化している。また、国内工場では、原材料の調達、生産加工、品質管理などのプロセスを絶えず最適化し、信頼できる品質保証を提供している。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年4月15日

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