新たな質の生産力は中国経済の「システムアップグレード」のマスターキー
中国民用航空総局(中国民航)は世界初の無人操縦航空機の生産許可を与えた。中国人民銀行(中央銀行)は、技術革新と技術改造のための再融資枠を5000億元に設定した。工業・情報化部(省)は重要なモデルプロジェクトを立ち上げ、在来産業のモデル転換と高度化を推進することを打ち出した。現在の中国経済を理解する上で、「新たな質の生産力」は避けて通ることのできないキーワードとなっている。
質の高い発展は中国の国家建設における重要課題だ。質の高い発展を部屋に例えるならば、新たな質の生産力はそのマスターキーと言えるだろう。そしてこのマスターキーをしっかりと手にすれば、新たな発展の可能性が切り開かれるだろう。
2014年から2023年にかけて、中国の新世代情報技術産業の成長額がGDPに占める割合は8.2%から8.4%に増加し、年平均で経済成長を0.7ポイント押し上げた。また戦略的新興産業の生産額(付加価値ベース)がGDPに占める割合は7.6%から13%以上に上昇した。デジタル経済がGDPに占める割合は21.6%から41.5%に上昇し、2027年には60%に達すると予測されている。現在、中国のデジタル経済の規模は世界第2位となっている。
新たな質の生産力は、推進力が強く、作用が大きく、効果も顕著だ。中国はいかにして新たな質の生産力を発展させ、このマスターキーを活用するのか?それにはそれぞれの状況に適したやり方が重要となる。
雲貴高原にある貴州省貴陽市は、気候と地域の強みを活かしてデジタル経済を大いに発展させ、2023年にはビッグデータの取引額が20億元(1元は約21.6円)を超え、400%成長した。
長江上流にある四川省宜賓市は、交通とグリーン電力の強みを活かして、動力電池都市の建設に全力を挙げ、原材料、モジュール、電池セル、完成車、廃棄電池回収までの全産業チェーンを構築している。
東中国海に面した福建省福清市は、洋上風力資源の強みを活かして川上企業を誘致し、洋上風力発電所の発展に注力している。
在来産業の多い地域では、新たな質の生産力の発展を加速する際に、単に「古きを捨て、新しきを迎え」、自らの発展条件とかみ合わない新興産業に資源を投入するのではなく、技術進歩を利用して、在来産業のモデル転換と高度化を推進し、新たな活力を見出している。
東部沿海地域は、人的資源が豊富で、科学研究開発能力が高く、産業システムが完備している。新世代情報技術や新エネルギー、新素材などの新興産業の育成・強化においても、人型ロボットや未来のディスプレイ、未来のネットワークなどの未来産業の布陣においても、優れた発展基盤を有している。
また、世界2位のエコノミーである中国の新たな質の生産力は、世界の発展に新たな原動力を与え、ますます多くの科学技術成果を世界に寄与するとともに、グローバルなイノベーションの生産力への転換を加速する後押しとなっていくことだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年5月22日
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