スマートな魚の養殖 ロボット「バトラー」が大活躍

人民網日本語版 2024年05月22日14:04

天気が少し変わると、浙江省江山市上余水産養殖場の責任者である蒋珍龍氏は携帯アプリを開き、養魚池の硝酸態窒素、アンモニア性窒素、pH値、化学的酸素要求量などの水質パラメータをリアルタイムでチェックし、それを把握するようにしている。科技日報が伝えた。

これらのデータは池の巡航型ロボット及びデジタル化観測ブイによって収集される。装置はいずれも杭州師範大学の張杭君教授のチームが開発したスマート水質モニタリングモジュールに基づき研究開発されたものだ。

巡航型ロボット以外にも、池には集魚型生態浮床ロボットと光触媒原位置浄化ロボットがある。これは3人の「バトラー」を雇い、池の水質モニタリング、スマート給餌、触媒浄化などの作業に当たらせるのに相当する。

蒋氏によると、スマートロボットは水の窒素と燐の濃度変化を効果的にモニタリングする上、余分な窒素と燐を除去し水域の富栄養化を防止でき、多くの労力が省ける。

張氏は、「これらのロボットの運用法は、家庭用のロボット掃除機に似ており、プログラムを設定した後に指定水域で巡航できるようなる。互いに協力し、周辺環境の地理情報及び自身の位置と姿勢をリアルタイムで感知できる。地理情報と障害物検知結果を組み合わせた後、ロボットはさらにマルチソースセンシングアルゴリズムを融合させ、安全なルートをスマートに選択し、巡航ルートをリアルタイムで調整し、障害物との衝突を回避する」と説明した。

細かい機能の面では、光触媒原位置浄化ロボットは特定の位置で光触媒技術を利用し、水中の有機物や細菌などの汚染物を効果的に分解できる。

集魚型生態浮床ロボットは高解像度カメラで撮影することができる。畳み込みニューラルネットワークやリカレントニューラルネットワークなどのディープラーニングアルゴリズムに基づき、多くの魚類の画像データでトレーニングを行い、自動的に画像の特徴を抽出し、水中の魚群及びその数を識別する上、検出結果に基づき給餌と管理の自動適用を行う。

張氏は、「クラウドコンピューティングプラットフォームとビッグデータ分析技術を利用し、技術者は巡航型ロボットが取得した大規模な水質モニタリングデータの保存、処理、分析を行うことができ、データの潜在的な時空関連性と法則性を掘り起こし、水質管理と意思決定に科学的根拠を提供する」と説明した。

「第14次五カ年計画(2021-25年)全国農業農村科学技術発展計画」は、水産物養殖の機械化率を2020年の32%から25年の50%に高めると打ち出した。

張氏は、「一般向けのスマート養殖ロボットの発展の見通しに期待できる。ロボットの低コストで携帯しやすい作業方法は、養殖業者の経営と水域環境保護の需要に合致する。チームは企業とのマッチングを積極的に行っている。ロボットの製造コストをさらに削減し、使用範囲を拡大することに期待している」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年5月22日

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