中国の水素燃料トラック、長距離輸送の急成長の段階に
河南省鄭州市経済技術開発区管理委員会がこのほど明らかにしたところによると、このほど2台の宇通水素燃料大型トラックが北京市大興区から出発し、2日後に上海市青浦区に到着した。宇通大型トラックは1500kmの中国最長の水素エネルギー回廊を横断した。これは中国の水素燃料トラックが長距離輸送の急成長の段階に入ったことを示している。科技日報が伝えた。
中国はここ数年、「『第14次五カ年計画(2021-25年)』エネルギー分野科学技術イノベーション計画」「水素エネルギー産業中長期発展計画(2021-35年)」「2024年エネルギー活動指導意見」などの関連文書を相次いで制定し、水素エネルギー産業の「新」と「質」への転換を推進し、真の生産力に転換させ始めている。
南方科技大学クリーンエネルギー研究院院長を務める国際水素エネルギー協会理事の劉科氏は、「水素エネルギー車はエネルギー補給がスピーディで、航続距離が長く、長距離の重量物積載の面で優位性がある。しかし長年にわたり、水素ステーション網が整備されておらず、水素コストが高いといった要素に制限され、水素エネルギー交通の応用シーンは特定の省(自治区・直轄市)またはエリアに限定されていた」と述べた。
調査では、上述したテストは中国の水素エネルギーのインフラ展開及び水素エネルギー車の性能の実地テストだった。宇通水素燃料大型トラックは効果的なエネルギー補給速度と優れた積載能力により、長距離大型貨物輸送シーンでの高いポテンシャルを見せた。
京滬(北京・上海)水素エネルギー回廊を模索する最初の車両として、テストに参加した宇通49トン水素燃料大型トラックは、180kWの燃料電池システムを搭載し、航続距離は600kmに達する。高速水素充填、長い航続距離、長寿命、低水素消費量、高い安全性、完全な適応性といった顕著な優位性を持つ。長距離幹線輸送シーンにおける車両への厳しい要件を全面的に満たせる。
今回のテスト車は北京・天津・河北・山東・江蘇・上海の6省・直轄市を跨ぎ、途中7ヶ所の水素ステーションで充填を行った。中国の水素エネルギー車初の広範囲、長距離、地域跨ぎの実地輸送テストに成功し、水素エネルギー発展の新たなマイルストーンを達成した。
宇通集団の所在地である河南省鄭州市では現在、水素エネルギー車産業の展開が加速している。同市水素燃料電池産業チェーンの責任者を務める市人民代表大会常務委員会主任の周富強氏は、「CO2排出量ピークアウト・カーボンニュートラルの『ダブル炭素』時代に入り、新エネ産業の発展が全体的な流れになっている。当市は水素エネルギー車の普及と水素ステーションの建設を急ぎ、化学工業パーク以外での水素製造を推進し、産業チェーンの企業誘致を強化し、複数の水素エネルギー・燃料電池車産業の有力企業を育成し、集結させる。完成車、燃料電池、中核原材料そして重要部品、水素エネルギー設備、水素製造及び貯蔵の産業発展クラスターを形成し、比較的整った、健全で持続可能な燃料電池車産業チェーンを構築する」と述べた。
中国の水素燃料電池車はここ数年、良好な発展傾向を維持している。劉氏は、「中国自動車工業協会が発表したデータによると、中国の2023年の水素燃料電池車の販売台数は前年比72%増の5805台だった」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年6月12日
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