湖南省にある再生稲の無人農場を訪ねて

人民網日本語版 2024年06月26日10:30

6月は稲の分蘖における重要な時期となる。このほど、湖南省益陽市大通湖区千山紅鎮の全国初の再生稲の無人農場を取材した。指揮ホールのディスプレイを見ると、スマート農機が農地で大活躍していた。自動で出庫し、田んぼに入り、自動で種を撒き田植えをする。作業場には人の姿がほとんど見られない。人民日報が伝えた。

この面積1000ムー(1ムーは約6.7アール)未満の再生稲の無人農場は、「十四五」(第14次五カ年計画:2021-2025年)国家重点研究開発計画重点特別プロジェクト「長江流域再生稲の生産能力向上及び高品質・高効率技術研究開発及び統合実証」の重要な構成部分となっている。

再生稲とは、一期に稲が成熟し収穫した後に稲株を残し、その休眠芽を発芽・成長・結実させ、さらに一期の稲を収穫する栽培モデルのことを指す。再生稲の二期収穫という特徴により、農村の労働力不足が再生稲の発展の大きなネックになっている。

そこでプロジェクト責任者で華中農業大学教授の彭少兵氏のチームは復数の科学研究機関と協力し、2023年に中国初の再生稲の無人農場の研究開発に成功し、再生稲の重要な時期に労働力が密集する問題を効果的に解決した。再生稲の無人農場は「農機+農業技術+スマート」の融合を通じ、中連スマート農業プラットフォームが作るスマート農業ブレーンとデジタル農業展示モデルを利用し、稲生産の全過程のデータ採取及び分析、農業指示スマート意思決定、農機作業スマート実行を実現した。そして稲の耕作から田植え、管理、収穫、生産、供給、販売までの全過程にトレーサビリティを持たせた。

農場の責任者である熊姣軍氏は、「再生稲の無人農場は1ムー当たりで約300元(1元は約21.9円)のコスト削減と増収が可能だ。通常の機械による再生稲収穫の損失率は40%にのぼる可能性があるが、無人農場の制御によってこれを20%以内に下げ、再生稲の二期目の生産量を増やすことができる」と試算している

国家稲産業技術体系専門家で、湖南農業大学教授の唐啓源氏は、「無人農場は北斗測位に基づく農機自動ナビゲーション作業技術を採用している。直線の収穫が可能で、残す稲株の高さを均等にできるため、二期目の苗の均等度と生産量を高められる。適切に管理すれば大通湖区再生稲模範エリアの二期目の1ムー当たり生産量は350-400キログラムになる。将来的に食糧栽培大手の間で普及が進む」としている。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年6月26日

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