パレスチナ各勢力の和解合意が北京で実現した理由

人民網日本語版 2024年07月25日11:09

パレスチナ解放事業は23日、北京で重要な歴史的瞬間を迎えた。3日間にわたる和解協議を経て、パレスチナの14勢力が「分断の終結とパレスチナ民族の団結の強化に関する北京宣言」に共同で署名したのだ。「北京宣言」は、パレスチナ解放機構(PLO)がパレスチナ人の唯一の合法的代表であることを明確にするとともに、ガザ地区の戦後統治、臨時民族和解政府の樹立について一致した。

この苦労して得られた大きな和解は、中東和平実現に向けた重要な一歩であり、苦難にさいなまれてきたパレスチナの人々に希望と未来をもたらすものだ。ファタハ代表団のアルール団長、ハマス代表団のムーサー団長はパレスチナの各勢力を代表して行ったスピーチの中で、中国の長年にわたるパレスチナに対する断固たる支持と無私の支援に謝意を表し、中国が国際社会においてパレスチナのために正義を主張してきたことを高く評価した。サウジアラビアのテレビ局は、今回の中国の外交行動について、責任感とコミットメントを示すものであり、注目され、敬服すべきものだとした。

パレスチナ内部の各勢力間の対立について多少の知識があるなら、各勢力が「北京宣言」に署名したことが並大抵の事ではないこと、中国の行ってきたたゆまぬ努力の持つ重要な意義を一層理解できるだろう。

時は2007年に遡る。当時、ファタハとハマスというパレスチナの二大勢力の間で激しい衝突が勃発し、ガザ地区とヨルダン川西岸は事実上分断された。その後、アラブ諸国を中心に国際社会が仲介を重ね、何度か和解合意に至った。だが、これらの合意はファタハとハマスの間で署名または妥結されたものであり、パレスチナの他の政治勢力はほとんど参加していなかった。今回、パレスチナの全14勢力が初めて北京に集まって和解に向けた協議を行い、中国の仲介の下で新たな合意に至った。

今回のパレスチナ内部の和解協議において最も強く呼びかけられたは、国連決議に基づくパレスチナの真の独立・建国の実現だった。こうした呼びかけは非常に得難いものだ。これまで、パレスチナの強硬な政治勢力は、往々にしてファタハとイスラエルを始めとする国際社会との和平合意を認めず、国連決議に対しても問題視し、批判的姿勢を取って来た。今回、パレスチナの各勢力が国連決議に基づき、エルサレムを首都とする独立したパレスチナ国家を樹立することを共同で呼びかけたことは、中国の仲介の下、各勢力がいずれも理性的立場を堅持したことを示している。

では、パレスチナの各勢力が北京で和解に至ることができたのはなぜか?それは、パレスチナ問題において、中国が自国のみの利益を図ったことがこれまでなく、常に平和の側、人類の良識の側に立ってきたからだ。昨年10月に新たなパレスチナ・イスラエル衝突が勃発して以来、習近平国家主席は中国の立場と主張を繰り返し明らかにし、即時停戦、衝突拡大の防止を呼びかけ、根本的な打開策が「二国家解決」の実行、パレスチナ問題の早期の包括的で公正かつ恒久的な解決の促進であることを強調してきた。中国は国連安保理において常にパレスチナ側のために正論を述べ、安保理議長国在任時には今回のパレスチナ・イスラエル衝突の勃発以降、初の停戦決議の採択も後押しした。今回のパレスチナ各勢力の北京協議においても、中国は現在のガザ紛争の困難な状況に対して、「三段階」ロードマップを提示し、各勢力の賛同を得た。

昨年のサウジアラビアとイランによる北京での握手、今回のパレスチナ各勢力による「北京宣言」署名という重要な意義を持つ中東地域の2つの和解はいずれも、中国が一貫して誠心誠意中東地域の平和的発展を手助けしてきたこと、常にアラブ諸国の誠実かつ信頼できる友人であることを証明している。だからこそ、中国による仲介があって初めて、これまで各方面の統一見解だった「不可能」を「和平の成果」に変えることができたのだ。アラブ首長国連邦の報道機関は、中東において中国は公正な国、信頼できる仲介国であると見られていると評価した。

「北京宣言」によって、パレスチナ・イスラエル問題におけるいくつかの西側諸国の陰謀が打破されたことも特筆に値する。過去数年間、特に今回のパレスチナ・イスラエル衝突の勃発後、一部の西側諸国は「パレスチナ各勢力間の対立は著しく、統一陣営となることはもうない」ことを主な口実に、「二国家解決」を絶えず否定してきた。今回の「北京宣言」の署名は、国際社会に明確なシグナルを発した。つまり「パレスチナ人は、内部衝突を終結させ、統一された独立国家を樹立することを望んでいる」「パレスチナ各勢力は、一致した声を上げてこそ、正義の主張は一層高らかに響くことができ、手を取り合い、肩を並べ合って前進してこそ、民族解放事業は成功を収めることができると考えるに至った」のである。

当然ながら、パレスチナ各勢力間対立の解決は一朝一夕に達成できるものではなく、今後、「北京宣言」の具体的実行について各勢力はいくつかの試練に直面するかもしれない。だが、「北京宣言」によって共通認識を形成できたことで、すでにパレスチナ解放事業は重要な前進の一歩を踏み出した。信念を不動のものにし、方向性を把握し、順を追って一歩一歩進めてこそ、パレスチナ内部の和解プロセスは確かなものになっていく。この道のりにおいて、中国は引き続き平和のために奔走し、正義のために声を上げ、パレスチナとイスラエルの和平プロセスを後押しするためにたゆまず努力していく。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年7月25日

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