中国が世界で最も整った海洋微生物遺伝子バンクを構築
「千種海洋生物ゲノムシーケンシングプロジェクト」並びに世界海洋微生物遺伝子バンク構築及び応用成果共同発表会が5日、山東省青島市で開かれた。記者会見において、華大生命科学研究院は山東大学などと共同で、現時点で、世界的にも最も整った海洋微生物遺伝子バンク「The Global Ocean Microbiome Catalogue(GOMC)」を構築し、かつその中から応用のポテンシャルを備えた多くの遺伝資源を発見したことを明らかにした。中国新聞社が伝えた。
華大生命科学研究院の范広益研究員によると、GOMCはすでに公開されている海洋ゲノムデータバンク「Tara Ocean」の3倍、プロテインデータバンク(PDB)の60倍となっている。GOMCはすでに中国の国家遺伝子バンク生命ビッグデータプラットフォームに保存されている。また応用のポテンシャルを備えた遺伝資源の関連研究成果はすでに、学術誌「ネイチャー」に掲載されている。
科学研究者はGOMCの構築において、現在公開済みの240Tb近くの海洋微生物メタゲノムデータの再分析を行った。GOMCは4万3100以上の海洋微生物ゲノムと24億5800万の遺伝子配列を有している。そのうち2万以上の微生物は潜在的な新発見種で、1万近くの微生物は独特な生存環境で初めて発見された。
科学研究者はGOMCの研究において、1つの潜在的な応用の価値を備えた新型Cas9編集システム(Om1Cas9)を見いだした。これは中国の遺伝子編集ツールの使用において、より多くの独立性と選択肢を手にする一助となる。また10の顕著な抗菌活性と広範囲抗菌効果を備えた新型抗菌ペプチドを発見した。この成果の応用は抗生物質の薬剤耐性の難題に向け新たな解決策を提供する可能性がある。さらに3つの深海由来の高活性新型塩好性PET分解酵素を発見した。これはPETのグリーン・低炭素・持続可能な利用の実現を後押しする可能性がある。
情報によると、GOMCは中国(山東)自由貿易試験区青島エリアと華大生命科学研究院所属の青島華大基因研究院が共同で実施する「千種海洋生物ゲノムシーケンシングプロジェクト」の重要な構成部分となる。同プロジェクトの主な内容は、海洋生物の遺伝子試料採取や高深度ゲノムシーケンシングなどとなっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年9月10日
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