高速列車「緑巨人」に乗って通学する福建省清流県の子供たち

人民網日本語版 2024年09月13日14:43

福建省三明清流県の子供たち約300人は毎週、自宅のある郷・鎮と学校の間を列車で往復している。学校と駅、鉄道当局が協力して、毎週、事前に列車に乗る子供たちの名簿を作成し、混雑具合や沿線の郷や鎮のニーズなどを調べて、子供たちがスムーズに乗り換えることができるよう公共バスの専用路線も設置している。各機関が協力していることで、子供たちの通学はさらに便利になっている。

9月に入り、清流駅は再び賑やかになっている。金曜日午後5時半、駅の子供用待合スペースは満席となっていた。その中にいたリュックを背負った黄華盛くんは、「高速列車の復興号が僕たちの『スクールバス』になった」とうれしそうに話していた。

黄くんが話す「スクールバス」とは、福建省福州市と厦門(アモイ)市を結ぶ列車C875号のことで、復興号の車両「緑巨人」が導入されており、時速は160キロだ。清流県は旧革命根拠地で、同列車は約300人の子供たちを乗せて、県内の各駅に停車する。

清流駅を出発し、高架を走行する「緑巨人」(撮影・張海根)。

清流駅を出発し、高架を走行する「緑巨人」(撮影・張海根)。

なぜ列車に乗って通学するのか?

清流県の総面積は1825平方キロで、常住人口はわずか11万3000人。山が多く、人は少なく、中学校と高校がない郷や鎮も多く、子供たちは県の行政中心地にある学校に通わなければならない。

清流県霊地鎮楊源村に住む黄くんは9月から中学校に通うようになり、毎週日曜日に学校に行き、普段は寮で生活し、金曜日になると家に帰る。

地図を見ると、楊源村から県の行政中心地までの距離は約60キロ。車の場合、1時間以上かかる。黄くんは、「以前、村の先輩たちは中型バスに乗って学校に行かなければならなかった。バスを道ばたで待たないといけないし、来る時間も決まっていなかったので、30分くらい待たなければならないこともあった」と話す。

しかし、2021年に転機を迎えた。同年9月30日、浦梅鉄道(福建省南平市浦城県―広東省梅州市)が開通し、福建省の清流県など、旧革命根拠地には鉄道がなかった歴史が幕を閉じた。

清流駅を出発した「緑巨人」(撮影・張海根)。

清流駅を出発した「緑巨人」(撮影・張海根)。

浦梅鉄道を利用すると、楊源村から県の行政中心地まで1駅で行くことができるようになった。こうして山地に住む子供たちには、通学するための新たな交通手段ができた。

以前であれば、バス乗り場まで5分ほど歩き、中型バスに乗って1時間半、さらに公共バスに乗り換えて30分かかっていたため、子供たちが学校に行くまでには2時間以上かかっていた。

しかし現在では、徒歩時間の5分は変わらないものの、高速列車に乗って27分、その後、公共バスに乗り換えて25分乗ると学校に着くようになったので、所要時間は全体で約1時間短縮されるようになっている。

楊源駅のホームから改札口へ向かう子供たち(撮影・張海根)。

楊源駅のホームから改札口へ向かう子供たち(撮影・張海根)。

料金の点でも、中型バスが17元(1元は約19.8円)だったのに対して、列車は11元で、時間が短縮しただけでなく、必要となる交通費も安くなった。

楊源村だけでなく、近くの3つの鎮と1つの郷の子供も列車で通学できるようになっている。毎週日曜日になると、約300人の子供たちがK8752号に乗って学校に向かい、金曜日になるとC875号に乗って帰宅している。(編集KN)

清流駅の待合スペースで自習したり、休んだりする学生たち(撮影・張海根)。

清流駅の待合スペースで自習したり、休んだりする子供たち(撮影・張海根)。

「人民網日本語版」2024年9月13日

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