中国、県域旅行の予約件数が前年比20%増 県域旅行が人気になっている理由は?
文化・観光部(省)が発表したデータによると、今年の国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた大型連休中、中国全土で延べ7億6500万人が国内旅行に出かけ、国内旅行客の総消費額は7008億1700万元(1元は約21.1円)に上った。中でも県域への旅行が新たな注目点となり、旅行サイト・携程のデータによると、国慶節連休中に一、二線都市で旅行客がもたらした農村旅行の予約件数は前年比60%増となり、県域旅行の予約件数が同20%増加した。
多くの旅行客が小規模都市と農村を訪れ、普段とは異なる生活スタイルを体験し、これまで比較的ニッチだった県域の旅行目的地が脚光を浴び、国慶節連休中に人気を集めた。
ここ数年、ますます多くの県域の旅行目的地が旅行客の人気を集めるようになっている。「全国県域観光発展研究報告2024」によると、2023年、1866の県域における観光収入総額の平均値は前年同期比41.19%増の42億9500万元で、受け入れた旅行客総数の平均値は同35.18%増の延べ508万2700人だった。
今年の国慶節連休中、ECプラットフォーム・美団のデータでは、桂林・陽朔、恵州・恵東、汕頭(スワトウ)・南澳、福州・平潭といった県域にある民泊施設が人気となった。新疆維吾爾(ウイグル)自治区巴音郭楞蒙古(バインゴリン・モンゴル)自治州では、国慶節連休前3日間の「尉犁県ホテル」の検索回数が前年同期比311%増、「博湖県ホテル」の検索回数が同263%増、「庫爾勒(コルラ)観光景勝地」の検索回数が同484%増となった。また、同程旅行のデータでは、国慶節連休期間中、100近くの県城(県人民政府の所在地)のホテルの予約が同50%以上伸びた。民泊サイト大手・途家民宿のデータによると、連休中の県域民泊施設予約が同50%近く増えた。
■インフラが絶えず整備され、観光受け入れ能力が向上
現在、中国の鉄道営業キロは16万キロメートルを突破し、2012年末より64.2%増加。うち高速鉄道は4.6万キロメートルを超え、同392.2%増となった。2025年までには、中国の高速鉄道は都市部人口50万人以上の都市の98%をカバーする見通しだ。高速鉄道網のカバー率が高まり続けていることで、旅行客はより便利に、より多くの県域の目的地に行けるようになっている。
文化・観光部が発表したデータによると、現時点で、「農村観光重点村鎮」に指定されている場所は9500ヶ所余りで、うち全国クラスの農村観光重点村鎮は1597ヶ所あり、浙江省の余村、安徽省の西逓村など8ヶ所が国連世界観光機関(UNWTO)の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に選ばれている。
■政策が支援を強化
商務部(省)など9当局は「県域商業三年行動計画(2023-2025年)」を発表して市民の農村での消費を促し、文化・観光部は農村観光特選ルートを打ち出した。また、各地は自身の特色と優位性を十分に発揮し、関連施設・設備を最適化し、より豊富な観光関連サービスを新たに打ち出している。
美団のデータによると、2019年から2023年にかけて、現地以外からの旅行客の県域における消費額は29.8%の複合成長率で急増し、2023年には、県域以外からの旅行客の消費額が県域消費総額の25%近くを占めた。
■消費ニーズが変化
観光市場が発展していくにつれて、文化・観光消費ニーズには多元化や差別化の傾向が見られ始めた。県域旅行には「小さいけれど美しい」という特徴があり、旅行客の「新しさや素晴らしさを求める」旅行ニーズによりよく応えることができる。各地では農村文化、特色ある産業、物産・グルメ、祝祭日やお祭りなどのイベントといった観光資源によって、農村グルメ、農耕文化体験、無形文化遺産、民俗イベントなど多元化された観光体験を打ち出している。(編集AK)
「人民網日本語版」2024年10月14日
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