中国で中医学のスキルを磨くタイのZ世代の女性
吉林省の長春中医薬大学に留学中のタイ人留学生の林玉花(中国語名)さんが、慣れた手つきで、患者に鍼灸治療を行っていた。同大学で教員から細やかな指導を受けている「95後(1995-99年生まれ)」の林さんは、鍼灸だけでなく、抜罐(カッピング)といった中医学の治療法をマスターしている。中国新聞網が報じた。
教員の指導の下、鍼灸治療を行う林玉花さん(左から2番目、撮影・張瑶)。
中医学内科学を専攻している大学院生の林さんは、子供の頃から、中国の伝統的な中医学の文化に興味があったとし、「家族が病気になると、両親はまず中医学の治療を受けていて、とても効果的だった」と話す。
こうして神秘的な中医学に対する興味の種が、林さんの心に撒かれ、根を下ろすようになった。林さんはタイの大学でも中医学を専攻し、学部を卒業した後、現地の診療所で働くようになった。林さんは「当時、臨床の経験を積むうちに、さらに多くの中医学の知識を学ばなければならないと感じ、そのルーツをたどって、中国で学ばなければならないと思った」と振り返る。
林さんは今、教員と共に毎日、長春中医薬大学附属病院で診察の実習を行っている。そして、「望診(形態、色、艶、呼吸など身体各部位を観察して判断する方法)」や「聞診(声の状態や臭いを嗅いで判断する方法)」、「問診(患者に直接尋ねて判断する方法)」、「切診(患者に直接触れて判断する方法)」という中医学の理論や知識を、実践において効果的に活用し、臨床の経験を積み重ねている。
休憩時間に、中医学の本を見ながら、銅人に鍼を刺入する経穴の位置を確認する林玉花さん(撮影・張瑶)。
林さんは、「中国で約1年間、じっくりと勉強したことで、中医学に対する理解や知識がより豊かになっただけでなく、それをマスターするという決意がさらに強まった」と話す。
タイは、中国以外で中医学を法律で認めた初めての国だ。中医学は2000年に、タイ政府に正式な医学として認められ、それを活用して、病気を治療することが正式に認可された。そして、今では中医学はすでにタイの医療体系において重要な部分を占めるようになり、たくさんのタイ人留学生が中国で中医学を学ぶようになっている。
林さんは、「私の友達の多くも、中国の天津や南京、上海などの高等教育機関で中医学を学んでいる」と笑顔で話す。
そして、「中国で学び終えた後は、帰国して、引き続き中医学事業に従事し、一人でも多くのタイ人に中医学について知ってもらいたいと思っている。また、中医学の技術を通して、一人でも多くのタイ人に益を受けてもらい、中医学文化をさらに広い範囲で普及させたい」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年10月29日
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