消費ニーズと消費理念が変わりつつある「中国の消費者」を再認識
11月6日、輸入博のブラジル・ナショナルパビリオンがオープンした。(資料写真。写真提供は取材先)
ここ数年、中国人の消費ニーズと消費理念が変わりつつあり、これまでのステレオタイプや「古いラベル」が色あせてきている。
中国の消費者は「保守的」か?
中国の伝統的な考え方や消費理念については、「保守的」というのが長らくステレオタイプの印象だった。しかし今では、新しい物事を喜んで受け入れるというのが中国の消費者の新しい特徴となっている。
今年11月、中国全土の乗用車市場の売り上げは242万3000台で、そのうち新エネルギー車が126万8000台で52.3%を占め、5ヶ月連続でガソリン車を上回った。
2023年の中国スマートホーム関連消費の市場規模は7100億元(1元は約21.0円)を超え、スマートホームアプリの月間アクティブユーザー数は延べ2億6000万人を超えた。中国は今や世界最大のスマートホーム消費国だ。スマートデバイス、デジタル消費、情報消費が急増しただけでなく、キャンピングカーでのキャンプ、低空域飛行活動による新しい経済形態の育成も加速している。
中国の消費者は外国製品が好き?
かつてはオーストラリアの乳製品、日本の小型家電が中国で大人気だった。しかし、今では馬面裙(中国の伝統的なスカートの一種)、新中国式茶飲料、国産AAAゲームの「黒神話:悟空」などが次々に登場して新しい国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)になっている。さらにこれらの製品は中国国内のみならず、海外でも人気を集めている。
消費トレンドに対する伝統文化の影響力が強まっており、「国風(中国風)」、「国潮」、「新中国式」といった概念が飲食、娯楽、文化観光、コスメ、ファッションなど複数の消費分野・消費シーンを席巻した。
中国の消費者は「閉鎖的」なのか?
11月に閉幕した中国国際輸入博覧会(輸入博)には、タイのジャスミンライス、チリのチェリー、ニュージーランドのキウイフルーツ、米国のブルーベリーなど、世界各地の風土や人情、文化的な根底を担っているグルメが数多く登場し、中国の消費者は見切れないほどだった。
海外旅行ブームが上昇を続けている。今年の国慶節(建国記念日、10月1日)連休期間中、大陸部住民の出入境者数は前年同期比33.2%増の延べ758万9000人に達した。また携程旅行網の第3四半期(7-9月)決算によると、同サイトでの海外旅行の航空券・ホテル予約件数は2019年同期の120%まで回復したという。
開放的であることが中国式現代化の明確な特徴だ。中国の消費者は包摂的で開放的な姿勢で世界を受け入れ、世界の企業を誘致している。世界の企業は続々と中国に進出し、中国で現地化戦略を踏み込んで推進し、中国の消費者の好みにより合致した製品の開発を進めている。今年に入ってから、アップル、クアルコム、メルセデス・ベンツ、テスラなどの多国籍企業数十社のグローバル代表が次々に視察で中国を訪れた。このことは中国の政策のチャンスに対する信頼の結果であるだけでなく、中国の消費者に対する信頼の結果でもあるだろう。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年12月13日
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