中国で「ミルクティーは私が飲んで、グッズはあなたに」の代行業が誕生!?
中国では最近、今年の冬1杯目のミルクティーを飲むためではなく、ミルクティーショップが新発売した各種関連グッズを購入するために、多くの若者がミルクティーショップに押し寄せている。銭江晩報が報じた。
ソーシャルメディアを見ると、ネットユーザーたちが、ミルクティー関連グッズについて、「30分もしないうちに売り切れた」や「近くのショップは全部売り切れ」といった書き込みを寄せており、盛り上がりを見せている。
価格競争の次は、関連グッズをめぐる競争を繰り広げるなど、ミルクティーブランドは攻めの姿勢を続けている。では、若者の間でそれらミルクティーの関連グッズが大人気となっているのはなぜなのだろうか?浙江省杭州市の複数のミルクティーショップを取材して、その理由を探ってみた。
ミルクティーの関連グッズが発売と同時に売り切れ
ミルクティーショップ・喜茶(HEYTEA)のスタッフは取材に対して、「動物をモチーフにしたぬいぐるみのマフラーやカップホルダー、バッジなど、当店の冬を暖かく過ごすシリーズのグッズは、杭州のほとんどの店舗で、発売と同時に売り切れた。再入荷の予定もない」と説明した。
ミルクティーショップ・霸王茶姫(CHAGEE)とゴッホの作品のコラボグッズも大人気となっており、「地域限定」グッズも発売されている。デリバリープラットフォームを見ると、杭州の多くの「霸王茶姫」の店舗で、イヤホンポーチやハンドバッグが売り切れとなっていた。ある店員は、「どの店も在庫が数個から十数個まで減っており、店頭に並べると、その日にほぼ売り切れている」と説明した。
ミルクティーの関連グッズが大人気となっているほか、ソーシャルメディアを活用して「代行業」を始めているネットユーザーもいる。例えば、福建省竜岩市に住むネットユーザーは、「近くのミルクティーショップには、まだ関連グッズが残っている。ミルクティーセットのお金と、手間代10元(1元は約21.1円)を出してくれれば、ミルクティーは私が飲んで、グッズはあなたに送ります」と書き込んでいる。
ミルクティーが大好きという杭州の女性・鬧鬧さんは今年、ミルクティーの関連グッズのコレクションにはまったと言い、「役に立たないように見えるかもしれないが、かわいいグッズは、私の生活に楽しみを増やしてくれた。数日前、『霸王茶姫』が新グッズを発売すると知って、昨日、朝一番にミルクティーショップに行き、ミルクティーセットを購入した。価格は60.9元で、ミルクティー2杯と、帆布の水筒カバーのセットだった。これまでの経験からして、人気の関連グッズは、開店と同時に買わないと、すぐに売り切れて、手に入らなくなる」と話した。
ミルクティーショップが「雑貨屋」に!?
ミルクティーブランドの関連グッズをめぐる競争はどんどん激しさを増している。あるネットユーザーがまとめた今年12月にミルクティーブランドが販売しているグッズを見ると、「楽楽茶」はシールやマグネット、キーホルダーなどを、「一点点」はマグカップや紙袋などを、「書亦焼仙草」は、スイーツ用スプーン、ガラスコップ、帆布カバン、ぬいぐるみバッグなどを発売している。ある程度知名度のあるミルクティーブランドのほとんどがグッズを打ち出し、商品の入れ替わりも速くなっている。
その他、ミルクティーの関連グッズはバラエティに富んでいる。ミルクティーブランドが打ち出すグッズは、当初のカップホルダーや紙袋、バッジ、シールといったグッズに留まらず、コップ、キーホルダー、スマホケース、ブランケットといった各種雑貨にも拡大している。
中国食品産業のアナリスト・朱丹蓬氏は、「近年、多くのティードリンクブランドが業界の垣根を越えたマーケティングを展開し、関連グッズを打ち出していることは、サービス体系のアップデート、顧客ロイヤルティ向上、ブランドの持続可能な発展につながる。数年前には、スターバックスの猫の足マグカップや喜茶のバッジといったグッズが高いマーケティング効果を発揮したこともあった」としている。
ミルクティーブランドが「攻勢」をかける中、関連グッズは、「趣味に基づいて消費する」という流れに乗っているため、若者も喜んでそれを購入している。
調査会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)が発表した「2024-25年中国趣味消費(趣味に基づいた消費)動向洞察白書」のデータによると、新青年の消費者の半数以上が、「生活必需品以外に、一定の範囲で、自分の趣味関連の商品、自己の満足感や幸福感を追求する商品を購入する」と答えた。つまり、若者は他の人との関わりや悦己(自己の満足感や幸福感を追求する消費行動)、感情的属性、文化的属性といった付加価値、さらに付加価値がさらに生む価値を求めて、商品を購入するようになっているということだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年12月16日
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