猫や犬の次は小鳥をなでなで?中国の若者の間で「鳥カフェ」が人気に
客の肩にとまるインコ。
可愛らしい鳴き声を聞きながら、そのフワフワの頭をなでなで……肩にとまったインコに「スリスリされる」のはどんな気分?四川省成都市の若者の間では今、猫カフェや犬カフェに続いて、鳥のいるカフェが人気となっている。
今年12月、成都市では「鳥カフェ」が数軒オープンした。温かな雰囲気が漂うその店内で、コーヒーを飲みながらインコと遊ぶというのが、多くの若者の新たな週末の過ごし方となっている。ECプラットフォーム「美団」で検索すると、現時点で、成都には動物カフェが100軒以上ある。猫カフェや犬カフェがメインで、「鳥カフェ」は新顔だ。
小鳥がカフェの「スタッフ」に
客は若者がメイン
12月24日、成都市の玉林街道(エリア)にある「鳥カフェ」の店内で、オーナーの露娜さんは手と肩の上に複数種類のインコを乗せ、客に「このオカメインコの名前は周大福。明るい性格で、歌が大好き」と紹介していた。
店の「スタッフ」としてインコを客に紹介する露娜さん。
露娜さんの「鳥カフェ」には、「スタッフ」の小鳥が20羽以上いて、その写真が壁に掛けられ、それぞれの性格や特徴も書かれている。客は自分の好きな小鳥を選んで、一緒に遊ぶことができる。
午後2時頃、「鳥カフェ」の店内は満員となり、小鳥と一緒に遊ぶ客たちで埋まっていた。客は20歳前後の若者がメインで、親子連れの姿もあった。客のほとんどは鳥を飼った経験がある。
「鳥カフェ」の店内には、鳥のえさやおやつ、止まり木といった鳥用品のほか、ピアスやフィギュア、帽子といった関連グッズが並ぶコーナーもある。そして、多くの客が帰り際にこうした商品を購入する。その他、「鳥カフェ」では鳥の預かりやシャンプーなどのサービスも提供している。
小鳥用品も並ぶ「鳥カフェ」。
露娜さんとインコの出会い
猫や犬より飼いやすいインコ
露娜さんのスマホには、「鳥カフェ」を12月にオープンさせるために、北京と成都を20回以上往復したフライトの記録が残っている。
露娜さんは小動物が大好きだが、北京で働いている時は、他の人と一緒に住んでいたため猫や犬を飼えなかったという。しかし、ある日、街を歩いている時に偶然入った店で、オカメインコが飛んできて、手にとまった。インコは鳴き声も小さくて、おとなしく、外に出してあげる必要もないことを知った露娜さんはインコを飼うようになり、4年経ったという。
露娜さんが飼っているインコの名前は「lucky」。「利口で、歌を何曲か歌うことができる。歌う様子を撮影して動画をネット上にアップしたらバズって、今ではネットで人気のインコになった」と露娜さん。こうして露娜さんはペット系のブロガーとなり、ソーシャルコマースプラットフォーム「小紅書」のフォロワーは4万人以上に達している。
動物+カフェ
若者の心を癒すペット
成都の人たちはゆったりとした暮らしを好み、ペットを飼うのも大好きだ。企業情報サイト・企査査の統計によると、12月23日の時点で、中国のペット用品関連の企業は32万9000社。そのうちの1万4000社が成都にあり、その数は全国の都市で3番目に多い。
露娜さんは、「週末になると、当店は席待ちが出るほどの賑わいになる」と話す。小紅書で「成都の動物カフェ」と入力して検索すると、関連の書き込みが113万件ヒットした。そのことからも、成都市では動物カフェの人気が高いことがよく分かる。
中国情報協会の朱克力常務理事は、「『動物+カフェ』という新しいビジネススタイルが盛況となっているのは、若者の精神的ニーズとライフスタイルの変化をしっかりと捉えているからだ」との見方を示す。
そして、「高齢化社会などの社会現象が現れていることに加えて、今の若者の結婚・恋愛観も多様化しており、気持ちに寄り添ってくれるペットの存在がより大きくなっている。特に、都市の生活はリズムが速く、余暇の質や精神的な癒しなどを重視する若者が増えている。ペットは、飼い主に無条件で精神的な慰めを与えてくれる。成都は動物病院の数も中国で上位に入っており、ペットサロンやペット預かりといったサービスも日に日に充実しつつあり、『動物+カフェ』というビジネススタイルの成長を促進している」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年12月31日
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