新年を迎える今、中国の消費市場の新たな注目点は?
氷雪経済が全国に急速に広がり、冬の日消費が熱く盛り上がり、「風景」から「シーン」へと注目点が移り変わり、従来の業態がバージョンアップし、「China Travel(中国旅行)」が引き続き人気で、国境を越えた消費が新たな注目点になった。一連の新しい製品、新しいやり方、新しい業態が、新年を迎える今、消費の勢いある成長を後押ししている。
写真提供・新華社
熱く盛り上がる氷雪消費
2025年の元旦が近づき、黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市の市街地から南東に約200キロメートルほどのところにある亜布力(ヤブリ)スキー場が賑わいを見せている。現地の気温はマイナス10℃以下まで冷え込むが、5歳前後の子どもから70歳の高齢者まで、たくさんのスキーファンがゲレンデで新しい年を迎えようと計画している。
「中国の雪国」景勝地は黒竜江省大海林林業局の管轄下にあり、冬に人気の旅行目的地だ。
民宿「雪郷第一家」のマネージャーの徐淑娟さんは、「10数年前、うちの客室稼働率は50%にも満たなかったが、今は20ある客室、50あるベッドは全て事前に予約が必要で、元旦や春節(旧正月、2025年は1月29日)はすでに予約でいっぱいだ。民宿から毎年数十万元(1元は約21.5円)の収入がある」と述べた。
寒い冬の時期になると、南方地域でも「氷雪経済」がますます熱を帯び、ウィンタースポーツが年越しの新たな選択肢になる。
広東省深セン市の卡魯氷雪世界のマーケティング・プランニング部門のマネージャーの何潔さんは、「北緯22度で、ほとんど雪の降らない華南地域では、若者の間で屋内スキー場が非常に人気だ。彼らは仕事の後のナイトスキーが好きで、毎日午後6時半になると来店者がピークを迎える」と説明した。
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テクノロジーが従来業態のバージョンアップをエンパワーメント
伝統を取り入れた「国風」の没入型コンサート、「国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)」を活かしたランタンフェスティバル、年越しの花火ショーなど、「ネット人気都市」湖南省長沙市では、元旦前後に各種テーマを掲げた53の文化観光イベントが行われる。文化財の展示、文化芸術公演、トレンド玩具で年越し、無形文化遺産体験などがあり、伝統文化を好むと同時にトレンドやファッションを追求する若者の傾向にマッチしている。
年越しにあたり、深センの観光スポット「世界の窓」では冬の特別記念イベント「ライトアップで新年を迎えよう」が行われる。「WOW迎春コンサート+ロマンティック・バルーンシャワー+ボーイズグループ+花火+ドローン」といった多彩なイベントが計画され、クリエイティブなコラボレーション要素が溶け込んで、目と耳で楽しめる年越しイベントとなり、観光客が没入して体験する感覚を味わえるようにするという。
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越境消費に火をつける「China Travel」
12月17日、ビザ免除措置を適用されて中国に入国した外国人の滞在時間が、これまでの72時間(3日間)または144時間(6日間)から、軒並み240時間(10日間)まで延長され、新たに21の出入境審査所が同措置を適用された外国人の出入国地点となった。これは今年の夏の「China Travel」ブームがさらに続くための新たな活力をもたらした。
中国東北地域の寒さと東南アジアの暑さは違いが際立ち、外国人観光客が「一気に北上」のルートを選択する。哈爾浜の氷雪大世界では、高さが21.5メートルもある氷で製作された「大皇宮」が観光客の人気を集めている。タイから来た観光客の金金さんは、「『氷の宮殿』はキラキラと透き通り、ライトアップされて色とりどりの光を放ち、とても幻想的だ」と感嘆の声を上げた。
交通インフラ、越境決済ツール、通関モデルの持続的な最適化に伴い、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)では越境消費ブームが持続し、さらにヒートアップしている。香港・澳門両特区の住民だけでなく、観光や展示会出展などで訪れる外国人が大幅に増加した。
深セン出入境・国境総検査所がまとめた統計によると、24年になってから、深センの1日の出入境者数が通関の全面的再開以降の記録を10回更新し、検査した出入境者は累計延べ2億3000万人に達した。
中国観光研究院の戴斌院長は、「現在の消費を成長させるには、現有の資源をさらに活用するだけでなく、新たな資源を開発しなければならない。インターネット、ビッグデータ、バーチャルリアリティ(VR)などの新技術の応用が加速するにつれ、中国の消費市場はスマート化、グリーン化、高品質化へとトランスフォーメーション・高度化しており、人々のますます拡大する消費ニーズを絶えず満たし、より多くの新しいポテンシャルを引き出し、より多くの新たな可能性を創出しようとしている」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年12月31日
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