科学調査砕氷船「中山大学極地」号が出航

人民網日本語版 2025年01月07日15:59

科学調査砕氷船「中山大学極地」号が4日、広東省広州市南沙区から出航し、渤海の海氷エリアに向かった。渤海冬季氷―海システム重要プロセス及びその生態環境効果の重要科学調査を行う。今回の航海は中山大学が主導し、中国の12の大学・科学研究機関が共同で参加し、作業期間は44日を計画。冬の渤海海氷の形成・成長・融解期間をカバーする。中国で冬の渤海海氷エリアの海氷―海洋―生態に対する総合調査を行うのは初めてとなる。科技日報が伝えた。

同プロジェクト責任者で、中山大学測量科学・技術学院の院長を務める極地研究センターの程暁センター長は、「科学調査隊は遼東湾及び渤海中央海域で、2つの縦断区間と2つの横断区間を設置し、渤海の海氷の形成と融解のプロセスと、大気・海洋の同プロセスへの熱力学・動力学的影響及び同プロセスの水域環境への影響メカニズムを重点的に研究し、渤海の海氷生態動力学的模型を構築し、海氷の渤海生態系の季節変化への潜在的な影響を明らかにする」と説明した。

今回の航海の首席科学者で、中国海洋大学の陳顕堯教授は、「渤海冬季海氷高密度エリアの観測データの欠如は、渤海海氷下の海洋環境及び生化学的要素の変化プロセスへの認識と理解を制限していた。今回の航海はこれまでの観測データの不足を効果的に補ってくれるだろう」と述べた。

中国海洋大学、天津大学、大連理工大学、華東師範大学、天津科技大学、中国水産科学研究院黄海水産研究所、自然資源部(省)第一海洋研究所などの12の大学・科学研究機関の科学調査者45人が今回の航海の任務に共同で参加する。チームリーダーは衛星リモートセンシング専門家で、中山大学の陳卓奇教授。

程氏は、「今回の航海で渤海を深く掘り下げ、北極を遠く眺める。空・宇宙・海氷・海洋の立体的観測により、渤海自体の科学的問題を研究すると同時に、北極の急速な変化が中国の天気・気候に及ぼす影響を探る。また極地のような環境で科学研究設備の海上試験を積極的に行い、遼東湾の生態環境の構築と世界的な気候変動の研究に寄与する」と述べた。

今回の航海の番号はNORC2025-302渤海冬季航海。「中山大学極地」号は中国の大学初の科学調査砕氷船で、極地のすべての水深での科学調査能力を持つ。同船はさらに中国3つ目の北極海中央部の海氷域で作業できる海上科学調査プラットフォームでもある。「中山大学極地」号は2024年7月26日から10月7日まで、2024年北極海科学観測を実施した。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年1月7日

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