中国、南極の「麒麟氷底湖」の掘削を予定

人民網日本語版 2024年02月28日14:36

自然資源部(省)中国極地研究センターによると、中国は南極で氷底湖を掘削する予定だ。実施中の中国第40次南極観測で、内陸部の観測隊員はすでに実地でのルート探しを完成した。新華社が伝えた。

中国極地研究センター極地氷雪・気候変化研究所の姜蘇研究員は、「この氷底湖は東南極のプリンセス・エリザベス・ランドに位置し、氷床の表面から3600m以上の深さに埋められ、中国の南極基地『泰山』からは120km離れている。中国は2022年にこの『麒麟静臥(キリンが静かに横たわる)』のような形の氷底湖を『麒麟氷底湖』と命名した。現在すでに南極研究科学委員会(SCAR)に収録されている」と説明した。

中国の固定翼機「雪鷹601」は2015年以降、プリンセス・エリザベス・ランドの航空調査を複数回行っている。航空地球物理学データに基づき、麒麟氷底湖の三次元構造を初期的に逆推定している。湖面の長さは42km、湖面の面積は370平方km、最大水深は200m、沈積物の厚さは最大300m以上。

南極内陸の観測隊員は中国第40次南極観測の期間中、中国の高分解能衛星リモートセンシング映像から選ばれた氷底湖エリア出入り安全ルートに基づき実地調査を行い、初めて麒麟氷底湖エリアに入り、複数の氷底湖掘削先選定作業を実施し、今後の氷底湖科学掘削の事前準備を行った。

南極の氷底湖は長期間にわたり氷床に覆われ、独特な高圧、低温、低栄養、暗闇の環境条件を備えており、生物進化、地球気候変動、南極氷床の変化に関する唯一無二の情報を提供している。科学掘削は氷底湖実物サンプルを取得する唯一の手段だ。2012年以降、米国、英国、ロシアが南極氷底湖の掘削を相次いで実施し、3ヶ所の氷底湖からサンプルが得られた。得られた成果は注目される科学の高い将来性を示した。

姜氏は、「麒麟氷底湖は現在まで発見されている南極で2番目に深い氷底湖で、そして東南極の氷床安定エリアに位置し、外界から300万年以上隔絶された形成の歴史を持ち、氷底湖と氷底生命探査の理想的な研究対象だ」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年2月28日

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