豊かさをもたらす「金のキノコ」 浙江・莫干山の金耳産業

人民網日本語版 2025年01月14日13:59

1月10日、浙江省湖州市徳清県莫干山鎮のキノコ産業による共同富裕プロジェクトが運営する5Gスマートキノコ栽培室では、20日間にわたり丹精を込めて栽培された「金のキノコ」が花のように開花し、喜ばしい雰囲気になっていた。中国新聞網が伝えた。

キノコに近づくとほのかな香りが漂ってくる。これはキクラゲの一種である「金耳」の成熟したものだ。

プロジェクト責任者の呉志広さんは、「年末が近づき、金耳は高級市場で特によく売れており、即日完売する。現地で栽培する植菌棒は浙江省農業科学院から導入されたもので、心を込めて世話をしたので、今回出荷する金耳キノコは非常に順調に成長し、1本の植菌棒から金耳が350グラム前後収穫でき、品質もとてもよい」と笑顔で説明した。

キノコ栽培ルームでは、「金のキノコ」が花のように開花し、喜ばしい雰囲気になっていた。(撮影・胡豊盛)

キノコ栽培ルームでは、「金のキノコ」が花のように開花し、喜ばしい雰囲気になっていた。(撮影・胡豊盛)

金耳は別名を黄金銀耳といい、「キノコの中の金」とも呼ばれ、薬効が非常に高い。野生の金耳は主に雲南省など標高の高い地域に分布し、温度、湿度、日光、換気など非常に厳しい条件がある。

呉氏によると、キノコの出荷時期と品質を保証するため、栽培拠点は5Gスマートキノコ栽培室のほか、ビッグデータセンターも建設し、スマートフォンのオペレーティングシステムを通じて、金耳の成長環境のスマート化、自動化、遠隔化された管理を実現した。「5Gスマートキノコ栽培室とオペレーティングシステムを通じて、金耳の『パーソナライズされた成長』のルートを定めた。人手を削減することができる一方で、若い人の参加を呼び込むことができた。今や、当拠点では金耳のデジタル化した科学的な栽培が実現している」とした。

人工栽培によるキノコの成長期間は約25日間で、5Gスマートキノコ栽培室では年に10回の栽培が可能で、生産量は1万2500キログラムに達する。

同鎮の関係責任者は、「金耳は生育期間が短く、生産量が多く、経済効果に優れるといった優位性があり、技術がさらに成熟すれば栽培を大規模な普及ができる。これは共同富裕プロジェクトが立ち上げられた本来の狙いでもある。現在、当基地は莫干山鎮の複数の農村と協力意向を達成している。今後は5Gスマートキノコ栽培室がたくさんの農村に広がり、技術者は各村の有力企業と農家の金耳の栽培・経営に協力するようになり、1千人ほどの村民の共同富裕が実現する見込みだ」と述べた。

金耳に起こった物語は、浙江省が進める農民・農村の共同富裕の1つの縮図だ。

今月6日、浙江省人民政府新聞弁公室は記者会見で、「現在、浙江省には緑茶、ヤマモモ、地豚、在来魚などの1本あたり10億元(1元は約21.5円)を超える『特産品』産業チェーンが126本形成されており、総生産高は3216億元に上り、産業チェーン全体で雇用する従業員は470万人に上る」と明らかにした。浙江省農業農村庁の呉新民副庁長は、「当省は『特産品+ビジネス貿易』や『特産品+文化』といった新しいビジネスモデルを模索しており、25年には生産高が10億元を超える『特産品』の産業チェーンが135本、100億元を超える『特産品』産業チェーンが12本に達する見込みだ」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年1月14日

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