世界初の300MW級圧縮空気エネルギー貯蔵モデルプロジェクトがフル容量の発電を開始
世界初の300メガワット(MW)級圧縮空気エネルギー貯蔵モデルプロジェクトである「エネルギー貯蔵1号」が9日、湖北省応城市でフル容量の系統接続と発電を開始した。年間発電量は5億キロワット時(kWh)で、標準石炭消費を15万9000トン、二酸化炭素排出を41万1000トン削減する見込みで、新エネルギー発電の変動性、間欠性、ランダム性に効果的に対応でき、電力網の安全で安定的な運営と新エネルギー利用における重要な役割を果たす。人民網が伝えた。
300MW級圧縮空気エネルギーモデルプロジェクトの蓄熱タンク。画像提供は取材先
中国では現在、新型エネルギー貯蔵技術のイノベーションが続いている。国家エネルギー局はこのほど通達した「新型エネルギー貯蔵・系統接続・調整運用の促進に関する通知」によると、新エネルギーの開発・利用及び電力システムの安全で安定的な運営の促進などの面で、新型エネルギー貯蔵の役割が徐々に現れ始めている。同局は2024年に56件の新型エネルギー貯蔵試行モデルプロジェクトリストを発表したが、うち11件は圧縮空気エネルギー貯蔵ロードマップだった。
業界関係者によると、圧縮空気エネルギー発電所は空気を利用し発電を行い、「グリーンスーパーモバイルバッテリー」と呼ばれる。電力消費量が少ない時間帯に余剰電力でコンプレッサーを駆動し、空気を圧縮して塩洞窟や人工坑道などの密封ガス貯蔵庫に注入する。空気の圧縮により生じる熱は、熱水や溶融塩などの形態により地上の蓄熱タンクに貯蔵する。電力消費のピーク時に、地下ガス貯蔵庫から高圧空気を放出し、蓄熱タンクから熱を放出する。高圧空気は加熱された後に大きな膨張力を持つようになり、空気タービン発電機を駆動し、電気エネルギーを発生させ、電力網に電力を供給する。
300MW級圧縮空気エネルギーモデルプロジェクトの低圧配電室。画像提供は取材先
中国エネルギー建設集団有限公司首席専門家を務める数科集団持株有限公司党委員会書記で、会長の万明忠氏は、「同モデルプロジェクトの単体出力は300MW級、蓄熱容量は1500メガワット時(MWh)、地下空気貯蔵庫は70万立方メートル、球形タンクの単体容積は3500立方メートルに達し、エネルギーを毎日8時間貯蔵し、5時間放出する。持続時間の設定は中国の電力システムの1日の変動サイクルと一致する。耐用年数は30年以上。中国が研究開発・設計した完全に独自の知的財産権を持つ圧縮空気エネルギーの革新的な成果だ」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年1月14日
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