世界は多国間主義を必要としている
世界経済フォーラム(WEF)の2025年年次総会(ダボス会議)がスイス・ダボスで開催されている。世界の各分野から集まった3000人近くの代表が、協力精神の発揚、より持続可能で包摂的な方法による助け合いと協力・ウィンウィンについて共に探求している。(人民日報コラム「和音」掲載)
WEFは今年、年次総会のテーマを「スマート時代の協力」と定め、年次総会前に発表した「グローバル協力バロメーター」で、冷戦後おおむね安定していた国際協力秩序が挑戦を受けていることを警告し、「2025年グローバル・リスク報告」で多国間の取り決めが将来のグローバル・リスクに対処する唯一の道であることを強調するなど、多国間協力をより重要な位置に引き上げている。
今年は、世界反ファシズム戦争勝利80周年にあたり、国連創設80周年にもあたっている。一国主義や保護主義が台頭し、深まる分断と断片化が地政学的状況と経済構造を再形成し、多国間主義が大きな圧力を受けていることを、国際社会は憂慮している。不安定化要因や不確定要因が著しく高まる国際情勢を前に、各国は多国間主義を断固として維持・実践し、実効性あるグローバル協力によって共通の課題に対処することをなおさらに必要としている。
習近平国家主席は2021年1月のWEF「ダボス・アジェンダ」対話での演説で、「世界の問題は複雑に絡み合っており、問題解決策の打開策は多国間主義を維持・実践し、人類運命共同体の構築を推進することにある」と指摘した。中国は、世界の運命は各国が共に掌握すべきであり、国際ルールは各国が共に制定すべきであり、グローバルな問題は各国が共に対策を取るべきであり、発展の成果は各国が共に共有すべきであると強調している。これは、各国が運命共同体意識を確立し、多国間主義を維持・実践し、「同舟相救う」精神によって世界の平和的発展を促進することを望んでのことである。
世界平和は多国間主義による維持を必要とする。多国間主義は国際体制の発展による必然的な産物だ。多国間主義を堅持するには、国連中心の国際体制、国際法に基づく国際秩序、国連憲章の趣旨と原則に基づく国際関係の基本準則を守らなければならない。中国は揺るぎなく国連の権威と地位を擁護し、国際問題における国連の中心的役割を支持しており、「多国間主義の重要な柱」と見なされている。
グローバルな発展には多国間主義の支えが不可欠だ。多国間主義を維持・実践し、協力・ウィンウィンを促進してこそ、物事を成し遂げ、良い事、大きな事を行うことができる。世界貿易機関(WTO)中心の多角的貿易体制は、グローバルな貿易と投資の自由化及び円滑化を力強く促進し、世界経済の成長に重要な原動力をもたらしてきた。保護主義や一国主義を実施すれば、最終的に他国にも自国にも損害を与えるだけだ。国際社会は直ちに多国間協力と共同開放を強化し、貿易の断片化リスクを防ぎ止めなければならない。中国は、実際の行動によって高水準の開放を拡大し、開放型世界経済の構築を後押しし、多角的貿易体制を守り、グローバルな貿易と投資の自由化・円滑化水準の引き上げに尽力して、世界経済の回復にプラスのエネルギーを注入してきた。
グテーレス国連事務総長は先ごろ行われた「G77と中国」議長国引継ぎ式で、昨年の国連「未来サミット」での「未来のための協定」の採択は、「G77と中国」の不断の努力によるところが大きく、これによって各国が団結し、全ての人々と全ての国々に寄与する多国間体制を再構築できることがはっきりと示されたと指摘した。中国は各国と手を携えて国連創設の初心に立ち返り、国連の権威と役割を断固として維持し、平等で秩序ある世界の多極化、普遍的に恩恵をもたらすインクルーシブな経済のグローバル化を提唱し、多国間主義によって世界の平和と発展の礎を固め、人類の発展という巨大な船がさらに素晴らしい明るい未来へ向けて航行する後押しをすることを望んでいる。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年1月22日
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