「DeepSeek」が史上最速でDAU3000万人を突破したアプリに
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中国企業が開発したオープンソースの大規模言語モデル「DeepSeek」は、世界中のネット上を席巻し、社会現象を巻き起こすアプリとなっている。
史上最速で3000万DAUを突破したアプリに
中国のデータ研究機関「QuestMobile」の2月8日のデータによると、DeepSeekのDAU(1日あたりのアクティブユーザー数)が1月28日に初めて字節跳動(バイトダンス)の大規模言語モデル「豆包」を超え、その後、2月1日に3000万人の大台を突破。史上最速でその大台を突破したアプリとなった。
DeepSeekは、AI産業チェーンに活気を注入している。華為雲(ファーウェイ・クラウド)や騰訊雲(テンセントクラウド)、阿里雲(アリクラウド)、百度雲(バイドゥクラウド)などが、続々と自社のクラウドコンピューティングサービスプラットフォームにDeepSeekを導入しているほか、昇騰、沐曦、海光信息といったAIチップメーカーもDeepSeekに対応できるよう調整している。その他、計算能力産業チェーン上の多くの企業も、DeepSeekへの対応が完了したと発表している。
業界は、今後1年間、AI応用が爆発的に成長する黄金期となると予測している。市場調査会社「Omdia」は、今後5年、中国の生成的人工知能の市場規模は5.5倍に拡大し、2029年には、98億ドル(1ドルは約153.2円)規模に達すると予測している。
DeepSeekの「友達の輪」がさらに拡大
中国の3大通信キャリアも全面的に対応
「DeepSeek」が爆発的人気となり、その「友達の輪」も加速しながら拡大している。
中国工業・情報化部(省)によると、中国の3大通信キャリアである中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通(チャイナユニコム)、中国電信(チャイナテレコム)はいずれも「DeepSeek」を導入し、マルチシーン、マルチ製品に応用できるようになっている。また、大きな話題となっている「DeepSeek-R1」のために、特別計算能力プランと関連環境を用意し、その性能がさらに引き出されるようバックアップしている。
証券会社が続々と「DeepSeek」を導入
2月6日夜、国金証券や華福証券といった中小証券会社が先頭を切って、公式微信(WeChat)アカウントで、「DeepSeek」導入を発表し、ローカライズ計画のテストが終わり、中国で初めて高性能、低コストのこの大規模AIモデルを導入した証券会社となった。
その後に続いた国元証券は今月7日、「当社は、『DeepSeek』の金融シーンのローカライズ計画、及び適合性のテストを完了した。今後は、独自に研究開発したスマートサービスプラットフォーム『燎元スマート助手』への踏み込んだ導入を計画している」と発表した。その他、取材では、国盛証券も「DeepSeek V3」と「R1」の導入を完了したことが明らかになっている。
「DeepSeek」は自動車にもまもなく導入
「DeepSeek」ブームは、自動車業界にも波及している。今月7日、東風汽車傘下の嵐図汽車(VOYAH)は、「『DeepSeek』との踏み込んだ融合が完了した。新型電動SUV『嵐図知音』が、自動車業界初の『DeepSeek』を導入した量産車となるだろう。2月14日には、OTAを通して一部のAIの機能をアップデートする」と発表した。同日、吉利汽車も「独自に研究開発した大規模モデル『星睿』と『DeepSeek-R1』の踏み込んだ融合が完了した」と発表した。
電気自動車(EV)メーカー・小鵬汽車の何小鵬董事長は最近、「『DeepSeek』は世界のテクノロジー界に衝撃をもたらした。オープンソースで高性能のAIを利用できるほか、コストが極めて安い。今後10年、AIが、自動車業界において、電気化を大きく上回る変革をもたらすだろう」との見方を示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年2月12日
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