経済とスポーツシーンを熱くする「氷と雪」 中国在住の日本人から見た2025年全国両会

人民網日本語版 2025年03月07日09:28

2025年の政府活動報告の中で、私が注目したのは「精神文明建設」で触れられていた「氷雪スポーツと氷雪経済を積極的に発展させる」という部分だ。

中国では、北京冬季オリンピックをきっかけに「ウィンタースポーツブーム」が広がり、ウィンタースポーツ人口が3億人規模にまで増えた。これに伴って、ウィンター産業も急速に発展しつつある。ウィンタースポーツ人口の増加とウィンタースポーツ産業の発展は、大きなオリンピック・レガシーとなったと言えるだろう。

中国国内のウィンタースポーツ熱を商機ととらえ、日本企業も中国のウィンタースポーツ市場に熱い視線を送っている。日本貿易振興機構(ジェトロ)は昨年末、河北省張家口市の崇礼雲頂スキー公園で、「日本ウィンタースポーツプロモーション会」を開催。日本のスキー・スノーボード用品などをPRし、好評を博した。

日本では1985年頃から1995年頃までスキーブームが訪れ、その後スキー人口は減ったものの、スキー・スノーボード用品などについて多くの経験と実績を積んでいる。また、中国の人々の旅行目的がモノ消費からコト消費へと変わった点や、SNS上の「映え」が生み出す経済効果を考え合わせると、ファッション性が高く、人とは違った個性的なウェアやグッズには、「思い出作り」の面で大きな将来性があると思われる。

また、ウィンタースポーツのブームは競技人口を増やし、ひいては世界の舞台で戦える一流の選手を数多く生むことにつながる可能性もある。スキー・スノーボードだけでなく、スピードスケートやフィギュアスケートなどを含めたウィンタースポーツ全般で、今後も優れた中国人選手が誕生することを期待したい。(文・勝又あや子)

「人民網日本語版」2025年3月7日

注目フォトニュース

関連記事