北京大学の警備員が10年かけて弁護士になる夢を叶える
6年連続で司法試験を受験し、ついに合格した北京大学の「伝説」の警備員・劉政さんを覚えているだろうか? 劉さんは今年初め、北京大学を正式に退職し、ついに北京市のある弁護士事務所で勤務するようになり、弁護士になるという夢をついに叶えた。
劉さんと北京大学の「物語」は2015年にまで遡ることができる。その年、ある高等教育機関を卒業した劉さんは、北京大学の警備員になった。その後、同大学の法学院・陳明楼の管理事務所で働くようになった。その勤務態度は真面目で、コツコツと仕事をこなしていた。そして、北京大学のアカデミックな雰囲気に影響された劉さんは、教室に行って講座に耳を傾けたり、学生たちが使い終わり、不要になった本を使って勉強したりするなど、あらゆる機会を活用してスキルアップを図るようになっていったという。
北京大学の法学院・陳明楼でガッツポーズをする劉政さん(写真提供・北京大学)。
そうして平凡ながら、日々の仕事を一生懸命こなしていく中で、劉さんには弁護士になりたいという思いが芽生えるようになった。そこで2016年から司法試験を受験し始めた劉さんは、6年連続で受験を続けた。そして過去問題をやり尽くした劉さんは、受験サポート機関のオンライン講座を聴講すると、どの法律の条文を使っているのか、教師がどの判例について説明しているかなども、すぐに分かるようになったという。
受験勉強期間中、劉さんは、北京大学の警備員として働きながら、中国人民大学の社会人向けの修士課程にも通い、毎日、大忙しだった。日中は自学自習による試験勉強をし、それが終わると夜勤に向かい、週末は電動自転車で中国人民大学の授業を受講し、時には献血などの公益活動も行っていた。
劉政さんの積み重ねられたたくさんの献血手帳と献血証明書(写真提供・北京大学)。
司法試験を受験し続けた6年間、劉さんは、毎日コツコツと勉強し、決して諦めることはなかった。そして、6回目にして、ついに合格した。
一生懸命勉強してきたこの10年間、劉さんは孤軍奮闘していたわけではなく、勤務先の北京大学の多くの教員や学生のサポートや励ましを受けてきたと言い、「みんな、向上心のある人を是非助けたいと思っていると、しみじみ感じた」と振り返った。
今年初め、劉さんは正式に北京大学の仕事を辞めて、弁護士事務所に勤務するようになった。その事務所の前に立った時、劉さんは夢を叶えた喜びで胸がいっぱいになったという。
弁護士事務所の前に立つ劉政さん(写真提供・北京大学)。
北京大学で過ごした10年を振り返り、劉さんは、「北京大学は 肥沃な土地で、僕たちは種のよう。スタートこそ遅かったものの、僕は常に前を向いて一生懸命走り続けていきたい」と話す。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年3月10日
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